米大手配送会社がHuawei端末の郵送を誤って拒否~米制裁の過剰反応で

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米政府のHuawei制裁を受け、物流業界大手の米企業FedExがイギリスからアメリカへのHuawei端末郵送を拒否する出来事が起きました。拒否される正当な理由はなく、郵送を依頼した人物は「馬鹿げている」と怒り心頭です。

個人の端末なのに郵送拒否

米政府による対中制裁によって、Huaweiとその関連企業は輸出規制リストに追加されました。これによってHuaweiと米企業が政府の許可なしに取り引きした場合、米企業にも罰則が科される可能性が生じます。そこで不要なトラブルを避けるべく、国内外で多くの企業がHuaweiとの取り引き中止を宣言しました。
 
そうした流れを受けて起きた“過剰反応”が、今回のFedEx郵送拒否です。
 
ニュースサイトPC Magazineのイギリス在住記者がHuawei P30を米ニューヨークに郵送しようとしたところ、地元ロンドンの配送会社Parcelforceは引き受けてくれたものの、米国側のFedExが中継地点のインディアナポリスで配達を拒否、よもやの差し戻しとなってしまいました。
 
公開された画像には「FedExによって小包は返送されました。米政府がHuaweiおよび中国政府との間に問題を抱えているためです」と記載されています。
 

FedExの早とちりだった可能性大

ところが先述したように、制裁で問題になるのはあくまでも「Huaweiと米企業の取り引き」です。一方で今回のHuawei端末は個人の所有物ですから、そこにFedExが制裁を理由に介入する余地はどこにもありません。発火の危険があるとされたGalaxy Note7とは事情がまるで違います。
 
問い合わせに対し、当初は「輸出規制リスト」を引き合いに出して弁明していたFedExですが、Huaweiのスポークスマンが「執行命令/輸出規制リストの全く誤った解釈だ」と21日にコメントすると事態は一変、翌22日には「誤って返送してしまった」と謝罪に至りました。
 


 
実際PC Magazineによると、FedExと同じ業界大手の米企業UPSは「イギリス-アメリカ間でHuawei端末の配送を禁止する原則は存在しない」とし、今回のケースは輸出規制に抵触しないとの見解を述べています。
 
ちなみにFedExは5月末にも、中国を始めとしたアジア圏にあるHuawei宛の荷物について、無断でアメリカを経由して配送していたことが発覚しています。指摘に対し「エラーで誤ったルートになってしまった」とFedExは釈明したものの、米政府の制裁が関係していることは誰の目にも明らかで、この時もやはり同社の“行き過ぎた忖度”を諌める見方が多くを占めました。
 
Source:PC Magazine,Reuters
Photo:Twitter-@saschasegan
(kihachi)

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