ICT総研が公衆無線LANサービス(公衆無線Wi-Fiサービス)の通信速度を実測した結果、キャリア3社の平均速度をキャリア以外が大きく上回っていることが明らかになりました。
6種類のアクセスポイントで調査
調査対象は、NTTドコモの「0001docomo」、au(KDDI)の「au_Wi-Fi2」、ソフトバンクの「002softbank」、セブン&アイの「セブンスポット」(7SPOT)、スターバックスの「at_STARBUCKS_Wi2」、羽田空港の「HANEDA-FREE-WIFI」の6種類のアクセスポイントです。
測定端末はiPhone7で、各アクセスポイントで閑散時間帯と繁忙時間帯にそれぞれ10地点ずつ、1地点あたり速度測定アプリ「RBB SPEED TEST」と「Googleスピードテスト」にて、それぞれ3回ずつ測定しました。測定エリアは東京都内の大手町、丸の内、神田、御茶ノ水、秋葉原(ただし「HANEDA-FREE-WIFI」については羽田空港で測定)、調査期間は5月2日から11日までとなっています。
キャリア平均19.7Mbpsに対しキャリア以外は平均36.3Mbps
調査の結果、携帯電話キャリア3社(NTTドコモ、au、ソフトバンク)の下り速度が平均19.7Mbps (RBB 22.2Mbps、Google 17.2Mbps)だったのに対し、キャリア以外(セブンスポット、at_STARBUCKS_Wi2、HANEDA-FREE-WIFI)は平均36.3Mbps (RBB 39.8Mbps、Google 32.9Mbps)と、大きな差が出ました。
特に「セブンスポット」は下り速度平均 59.8Mbps (RBB 59.9Mbps、Google 59.7Mbps)と、他を圧倒する速度を記録しています。
繁忙時間帯でも速度遅延はほとんどなし
繁忙時間帯(11時半~13時半)と閑散時間帯(9時半~11時半、13時半~16時半)の速度差を比較すると、携帯電話キャリア3社は繁忙時間帯の下り速度が閑散時間帯の92.8%、キャリア以外は繁忙時間帯の下り速度が閑散時間帯の101.9%となりました。全事業者平均でも繁忙時間帯の下り速度は閑散時間帯の96.7%と、繁忙時間帯の速度遅延はほとんど見られませんでした。
携帯電話キャリアのLTE回線では、特にMVNO事業者を中心に繁忙時間帯の速度低下が著しい傾向がありますが、公衆無線LANサービスでは速度低下はあまり起きていないようです。
なかでも「セブンスポット」は、閑散時間帯の下り平均 61.0Mbpsに対し、繁忙時間帯も 58.6Mbpsと、いずれも群を抜く速度を記録しました。また、「at_STARBUCKS_Wi2」は閑散時間帯の下り平均 20.1Mbpsに対し繁忙時間帯は23.0Mbpsと、繁忙時間帯の方が速いという逆転現象を示しています。
上り速度もキャリア3社よりキャリア以外が速い
上り通信速度で見ても、携帯電話キャリア3社よりもキャリア以外が速いという傾向は同じですが、携帯電話キャリア3社の平均は下り19.7Mbpsに対して上りは22.9Mbpsと若干速くなっています。
調査地点が少ないものの、公衆無線LANサービスにおいては、携帯電話キャリア3社は通信速度において必ずしも優勢ではないという結果になった、とICT総研はまとめています。
Source:ICT総研
Photo:Pixabay
(lunatic)