未開封のiPhoneは、モデルによってはオークションで信じられないほどの高額で取引されることがあります。では、現行iPhoneモデルを未開封のまま保存した場合、将来ビンテージ価値が出る可能性はあるのでしょうか?Apple関連の競売で知られる米RR Auctionの今回のオークションでは、未開封のiPhone6が出品されましたが、思ったほどの高値には至りませんでした。
2015年にiPhone6の32GBモデルは存在しないはず?
RR Auctionに出品された「2015年製」とされるiPhone6 32GB(未開封)は、本来存在しないはずの表記になっています。というのも、iPhone6は2014年の発売当初、16GB/64GB/128GBの構成で、32GBモデルは2017年に一部市場向けに再リリースされたのみだからです。
なぜ2015年製とされる32GBのiPhone6が存在するのかは不明ですが、もし2017年発売モデルだと仮定すると、未開封で8年経過したことで定価から約389ドルの値上がりが見られた計算になります。
1年あたりの価格上昇は4%未満?
2017年当時、販売価格が約500ドルだったiPhone6 32GBモデルは、8年間でおよそ400ドルの上昇がありました。ただしインフレを考慮すると、実際の価値の伸びはもう少し控えめです。
計算上は、年平均で約3.81%の価格上昇という結果になります。
項目 | 金額・割合 |
---|---|
2017年の販売価格 | $500 |
2025年のオークション落札価格 | $889 |
単純な値上がり幅 | +$389(+77.8%) |
2017年から2025年までの物価上昇分 | +31.79% |
物価上昇を考慮した2017年の価格 | $658.95 相当 |
実際の価値の増加分(物価考慮後) | +$230.05(+34.9%) |
1年あたりの平均の伸び | 3.81%/年 |
※ 32GBモデルは2017年発売のため、2017〜2025年の8年間で計算。 |
未開封iPhoneは投資対象になり得るか
では、これから現行のiPhoneを未開封で投資目的に保存するのはどうなのでしょうか。結論としては、純粋な投資対象としてはリスクが高いものの、趣味と資産形成を兼ねる「コレクション投資」としては成立し得ると考えられます。
初代や特別仕様(初代、初のPlusモデル、記念モデルなど)は高騰しやすい一方で、中途半端なモデルは伸びにくい傾向があります。そのため「将来プレミアがつきそうだ」と思えるモデルがあれば、未開封で保存してみるのも一つの選択肢かもしれません。
プラスチック包装廃止の影響は?
Appleは2021年のiPhone13からプラスチック包装を廃止し、封止シールに切り替えています。
しかし、この封止シールを使って「開封済みを未開封に見せかける」詐欺事件が報告されており、ビンテージ価値の観点からするとあまり歓迎できない変更だと言えるでしょう。
Photo: RR Auction