山手線の全30駅と全駅間の合計60カ所で、携帯キャリア4社の5G通信速度を調査した結果をICT総研が発表しました。全地点での下り通信速度トップはauの168.6Mbpsでした。各社とも、2年前の前回調査よりも着実に高速化し、5G接続率も向上しています。最も下り通信速度が速い駅は目黒駅ホームで、平均391.5Mbpsを記録しています。
山手線の全駅と駅間の合計60カ所で5G速度を調査!
ICT総研による「2025年6月 山手線5G通信速度実測調査」は、山手線の全30駅ホームと、駅間30カ所の合計60カ所で、携帯キャリア(MNO)4社(NTTドコモ、au、ソフトバンク、楽天モバイル)の通信速度を計測しています。
計測にはGoogle Pixel 7aを「5G優先」に設定して使用し、Googleの「インターネット速度テスト」で下り(ダウンロード)と上り(アップロード)を3回ずつ計測しています。
調査期間は2025年6月10日〜11日で、朝夕のラッシュ時間帯を避けて実施しています。
60地点平均で最速はau!僅差でドコモとソフトバンクが続く
山手線の駅ホームと駅間の全60カ所で計測した平均通信速度(下り)は、auが168.6Mbpsでトップでした。僅差でNTTドコモ(164.2Mbps)、ソフトバンク(157.7Mbps)が続きます。4位の楽天モバイルは17.4Mbpsでした。
2023年7月に公開された前回調査と比べると、au、ソフトバンクが、150Mbps超えだった前回よりもさらに高速化しています。NTTドコモは前回から大幅に高速化しており、通信改善が成果を挙げていると見られます。一方、楽天モバイルは速度がやや低下する結果となりました。
今回(2025年6月) | 前回(2023年7月) | |
au | 168.6Mbps | 157.7Mbps |
NTTドコモ | 164.2Mbps | 66.4Mbps |
ソフトバンク | 157.7Mbps | 145.6Mbps |
楽天モバイル | 17.4Mbps | 33.0Mbps |
5G受信比率は94.2%、auとソフトバンクは100%を維持
5Gを受信できた地点の割合は、4社平均では94.2%でした。前回の4社平均(77.5%)から、大きく伸びています。
各社ごとの5G受信比率は、auとソフトバンクが前回と同じく100%をキープ、NTTドコモは98.3%で前回の51.7%からほぼ倍増しています。楽天モバイルは78.3%で前回の58.3%から伸びており、各社ともに高い水準となっています。
平均下り通信速度、2019年から4倍以上の高速化
ICT総研が2019年から実施している、山手線駅と駅間での通信速度調査における4社の平均下り通信速度の推移をまとめたのが以下のグラフです。
6年前(2019年12月)の29.8Mbpsから、127.0Mbpsへと4倍以上の高速化が実現しています。
2020年3月の5Gサービス開始以降、通信速度は格段に高速化しており、5Gエリアの拡大に伴って高速化が進んでいます。
山手線最速は目黒駅ホーム!下り速度は391.5Mbps
全60地点の下り通信速度の4社平均で、最も高速だったのは目黒駅ホームの391.5Mbpsでした。
4社平均の下り通信速度が300Mbpsを超えた地点は、田町駅ホーム(382.8Mbps)、鶯谷駅ホーム(375.4Mbps)、五反田駅ホーム(329.0Mbps)と合わせた4地点ありました。
4社平均の下り速度が最も遅かったのは、品川~大崎間の3.4Mbpsでした。
駅ホームの下り平均速度が下り206.5Mbpsなのに対して、駅間は下り47.4Mbpsと、駅ホームと駅間とでは、通信速度に大きな開きがあります。なお、駅間は前回の下り61.1Mbpsと比較して平均下り通信速度が低下しています。
着実に高速化する日本の携帯通信
2019年と比較すると、各社ともに5Gエリアが拡大し、通信速度も高速化していることが分かります。
ユーザーのスマートフォンの使い方も、動画SNSなど通信回線に負荷のかかる使い方が増えており、携帯キャリア各社による安定した高速通信の提供への努力が続いています。
ICT総研が2022年1月に発表した国際比較調査では、日本の通信料金は調査対象6カ国中で最安水準であり、トップレベルの通信品質と安い料金が両立できていることが分かります。
Source: ICT総研