SafariがGoogleのChrome宣伝を記録か〜iOS27.2ベータで判明

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iOS27.2のベータ版で、SafariがGoogle検索ページのChromeの案内を見つけて記録するコードが確認されました。主に記録されるのは、案内の「表示の有無」と「ユーザーの反応」です。

Appleはこの仕組みの目的を説明していませんが、ブラウザの選び方をめぐっては各国で規制が進んでいます。GoogleがSafariの中でChromeを勧める理由と、iPhoneで既定のブラウザを確かめる方法をあわせて見ていきましょう。

SafariがChrome宣伝を記録か

海外メディアの報道によると、iOS27.2のベータ2から、SafariがGoogleのトップページと検索結果ページにスクリプトを読み込ませる仕組みが試されています。スクリプトが探すのは、「Chrome」や「Googleアプリ」を開く、または入れるよう勧める案内です。

案内が見つかったときに記録される項目として、次の3つが挙げられています。

  • 案内が表示されたか
  • Googleアカウントにログインしているとみられるか
  • 案内を受け入れたか、閉じたか

この仕組みはベータ3のリリースノートにも記載がなく、Appleは何のために記録するのかを明らかにしていません。iOS27.2の正式版は10月中に公開される可能性があり、それまでに仕組みが残るのか、変わるのかが注目されます。

GoogleがChromeを勧める理由

SafariでGoogle検索を使っていても、検索そのものはGoogleのサービスです。それでもGoogleがChromeを勧める背景には、Appleとの検索契約や、それを独占とみなす規制当局の動きが深く関わっています。

Appleが受け取る検索の対価

Googleは、Appleに対価を払う契約にもとづいて、Safariの既定の検索エンジンに採用されてきました。米国の裁判資料によると、GoogleからAppleへの支払いは2022年の1年間で約200億ドルに達しています。

同じ裁判では、Safari経由の検索広告収入の36%をAppleに分配していることも判明しました。英国の競争・市場庁(CMA)の2025年3月の報告によると、iOS版ChromeでGoogle検索をした場合も、Appleは収益の分配を受けています。

2025年9月の米国判決では、Google検索を既定にしてもらう対価をAppleなどに払う契約自体は、全面禁止されませんでした。ただし、独占的な契約や、1年を超えて既定にし続けることを支払いの条件にする契約は禁じられています。

Googleが乗り換えで得るもの

Chromeでも分配がある以上、Googleが乗り換えを勧める理由を、Appleへの収益分配だけで説明することはできません。Googleの検索ページでの案内は、一度きりの選択画面と違って何度でも表示されうるため、利用者が目にしやすい誘導です。

iOS版ChromeでGoogleアカウントにログインすると、ブックマークやパスワードがアカウントに保存され、設定次第で履歴やタブも同期されます。Googleが自社のブラウザの利用者を増やしたいのは、自社のサービスとの接点を広げるためでしょう。

Appleが記録する狙いは規制対策か

Appleが目的を示さない中で、考えられるのが規制への備えです。ブラウザの選び方をめぐる規制は英国やEU、日本で進んでおり、Googleの勧誘がどれだけ行われているかを示すデータは、規制当局とのやり取りの材料になる可能性があります。

英国ではGoogleの宣伝が争点

英国ではGoogleが、iPhoneの利用者にChromeを勧めていることを、Safariと競争している証拠として示してきました。一方のCMA(英国の競争・市場庁)は、両社が検索の収益を分け合う仕組みが、ブラウザで競い合う動機を弱めていると見ています。

案内の表示と反応の数字は、どちらの見方が実態に近いかを示す手がかりです。もし規制対応が目的なら、「案内を無視した人が多い」というデータは、Safariが支持されている証拠として使えます。ただし、Appleはその目的を説明していません。

スマホ新法で選択画面を導入

日本では、2025年12月18日にスマホソフトウェア競争促進法(スマホ新法)が全面施行されました。Appleは前日の12月17日、日本向けのiOSに「ブラウザ選択画面」と「検索エンジン選択」を導入すると発表しています。

iOS26.2以降は、Webブラウザを初めて起動したときに、既定のブラウザを選ぶ画面が表示されるようになりました。Safariではさらに、スタートページでGoogleやBing、DuckDuckGoなど既定の検索エンジンを選べる画面も表示されます。

選択画面の外で続く勧誘

選択画面ができた今、Safariの検索エンジンがGoogleなのは、契約だけでなく利用者自身の選択の結果ともいえます。一度選んだあとも、Googleの検索ページでChromeを勧められれば選択は変わりうるため、その実態はスマホ新法の議論にも関わりそうです。

MMD研究所が2026年8月に行った調査では、メイン端末の機種を把握している34,838人のうち、iPhone利用者は45.6%でした。iPhoneにはSafariが標準で入っているため、Safariの中での勧誘を目にする人は少なくないとみられます。

記録される項目と分からない点

今回の報道で分かっていることと、まだ分からないことは次の通りです。

スクロールできます
項目現時点の情報今後確かめたい点
対象のページGoogleのトップページと検索結果ページほかのWebサイトも対象になるか
探す案内ChromeやGoogleアプリを開く・入れるよう勧める表示Safariが案内を隠すことはあるか
記録される内容案内の表示の有無、Googleにログインしているとみられるか、受け入れたか閉じたか記録の保存期間が説明されるか
検索した言葉報道に記載なし正式版で収集の範囲が説明されるか
Appleへの送信不明「解析」の共有設定と関係するか
初期設定で有効か不明設定にオフにする項目が加わるか
正式版への搭載未定(ベータ3のリリースノートに記載なし)iOS27.2正式版のリリースノートに載るか

報道で挙がった記録の項目

報道に挙がった項目を見る限り、この記録はGoogleの誘導がどれだけ効いているかを測るのに向いた内容になっています。検索ワードまで記録されるという情報は今のところなく、誘導の効果を測るだけなら「案内が出たか」と「どう操作したか」のログだけで十分と考えられます。

また、記録対象に「Googleにログインしているかどうか」が含まれている点も注目されます。ログイン状態によって案内の出方やユーザーの反応が変わるのか、細かく分析する狙いがあるのかもしれません。

プライバシー重視の姿勢との整合性

Appleはこれまで、Safariのプライバシーを強調した広告を流すなど、Chromeとの違いとして追跡を防ぐ姿勢を打ち出してきました。そのSafariの中で利用者の操作を記録する以上、何をどこまで集め、何に使うのか、正式版での説明が求められそうです。

Appleは、利用状況のデータを集める仕組みとして「解析」の共有を用意しており、「設定」→「プライバシーとセキュリティ」→「解析および改善」の「iPhoneとWatch解析を共有」で、匿名のデータを送るかどうかを選べます。

今回の記録がこの設定と結びつくかは、まだ分かりません。それでも、Appleへのデータの送信をできるだけ抑えたい人は、正式版の公開後にこの項目もあわせて確かめておくとよいでしょう。

既定のブラウザと検索エンジンを確認

Googleの案内を見て、ブラウザを変えるかどうか迷う人もいるかもしれません。案内に応じる前に、今どのブラウザと検索エンジンを既定にしているかを確かめておくと、判断の材料になるでしょう。

ブラウザと検索エンジンの変更手順

Appleは、選んだブラウザと検索エンジンは「設定」からいつでも確認し、変更できると案内しています。スマホ新法に合わせた選択画面で何を選んだか覚えていない場合も、iOS27では次の手順で今の設定を確かめましょう。

  • ブラウザ:「設定」→「アプリ」→「デフォルトのアプリ」→「ブラウザアプリ」
  • 検索エンジン:「設定」→「検索」→「検索エンジン」

Googleの案内に応じてChromeを入れても、既定のブラウザは自動では切り替わらず、上の「ブラウザアプリ」で選ぶ必要があります。今どちらが既定になっているかは、メールのリンクを開いて起動するブラウザを見れば分かるはずです。

Chromeに切り替えるときの注意点

Chromeの案内に応じるかは、普段どのブラウザで履歴やパスワードを管理しているかで決めるとよいでしょう。切り替えるなら、同じ「デフォルトのアプリ」の「パスワードとコード」で、自動入力に使うアプリも確かめておくと安心です。

検索エンジンの設定は、ブラウザごとに分かれています。Safariで選んだ検索エンジンはChromeには引き継がれないため、Chromeに切り替えたら、Chromeの設定でも検索エンジンを確かめておくと確実です。

端末の組み合わせで選ぶブラウザ

使っている端末の組み合わせで考えると、選びやすくなります。MacやiPadとあわせて使うならiCloudで同期できるSafari、WindowsのパソコンやAndroidのスマホも使うならChromeが、扱いやすい選択肢です。

Safariを使い続けるなら、Googleの案内は閉じるだけで問題ないでしょう。ただし、今回の仕組みが正式版に入れば、「閉じた」操作もSafariの中で記録されるとみられる点には注意が必要です。

今回見つかった記録の仕組みが、iOS27.2の正式版に残るか、Appleが目的を説明するかが注目されます。ブラウザ選びをめぐるAppleとGoogleの駆け引きは、今後も続くことになりそうです。

Photo: Apple

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