今秋に発売される見込みの新型iPad miniとApple Watch Series 12向けOLEDディスプレイについて、韓国のディスプレイサプライヤーが量産を開始したと報じられています。
iPad miniへのOLEDディスプレイ搭載に向けた動きが本格化したものとみられ、同モデルの登場が現実味を帯びてきました。
今秋発売の新製品向けOLEDが量産開始か
韓国のディスプレイサプライヤーであるSamsung DisplayとLG Displayが、今秋に発売されるAppleの新製品向けOLEDディスプレイの量産を相次いで開始した模様です。
報道によれば、各社が量産するOLEDディスプレイの搭載製品と、初期注文枚数は次の通りです。
| モデル名 | 初期注文枚数 | Samsung Display | LG Display |
|---|---|---|---|
| iPad mini | 200万枚 | ◯ | – |
| Apple Watch Series 12 | 3,400万枚 | – | ◯ |
| 折りたたみiPhone | 1,000万枚 | ◯ | – |
| iPhone18 Proシリーズ | 合計9,000万枚 | ◯ | ◯ |
| 新型MacBook Pro | – | ◯ | – |
なお、上記の初期注文枚数は推定値であり、実際の数量は多少前後する可能性があります。
利幅の大きいOLEDはSamsung Displayが受注
Apple向けOLEDディスプレイの初期注文枚数では、Samsung Displayが優勢とみられています。
特に、新型MacBook Pro(モデル名はMacBook Ultraになるとの噂もあり)向けOLEDディスプレイは、基板サイズが大きい第8.6世代OLED製造ラインで量産されると予想されています。
同モデルは、ディスプレイサイズが約14インチと約16インチになるとみられており、スマートフォン向けやApple Watch向けと比べてパネル単価が高く、利幅も大きいと推察されます。
さらに、新製品となる折りたたみiPhone向けOLEDや、液晶からOLEDへ移行するiPad mini向けOLEDも、Samsung Displayが受注した模様です。
iPad mini向けフレキシブルOLEDをLG Displayは受注できず
iPad mini向けOLEDディスプレイは、現行の第6世代OLED製造ラインで量産されると考えられています。
技術的には、LG Displayも受注できる可能性があったとみられます。
また、iPad Pro(M4およびM5)のような2層構造のタンデムOLEDではなく、1層構造のフレキシブルOLEDになるとみられているため、製造難易度も極端に高いわけではないと考えられます。
それでもLG Displayが受注できなかった理由として、Appleが求める価格条件を満たせなかった可能性があります。
iPad mini向けOLEDの初期注文枚数が200万枚とされていることを考えると、製造規模の問題だけで受注できなかったとは考えにくいでしょう。
Samsung Displayが一括受注で価格を抑えた可能性
Samsung Displayは、主要モデル向けOLEDをまとめて受注することを前提に、全体の取引額として有利な価格を提示した可能性があります。
DRAMおよびNANDフラッシュメモリの価格が高騰する中で、AppleにとってOLEDディスプレイは、価格交渉の余地が残されている数少ない主要部品の1つと考えられます。
Samsung Displayは、受注枚数の増加を条件に、Appleの求める価格水準に応じた可能性があります。
BOEの新規受注は目処立たず
一方、卸価格の安さという点でこれまで名前が挙がることの多かった中国BOEは、今回、いずれの製品向けOLEDディスプレイも受注できなかったとみられています。
BOEはSamsung Displayと同様、第8.6世代OLED製造ラインを稼働させ、Windows PC向けOLEDディスプレイの供給を開始する見込みです。
しかし、Apple製品向けOLEDの供給については、現時点で具体的な見通しが立っていないとサプライチェーン関係者は伝えています。
BOEの新規受注としては、2027年春に発売されると噂されるiPhone18e向けOLEDが期待されています。
ただし、iPhone16eのときのようにBOEが最多供給サプライヤーになるのではなく、iPhone18e向けでもSamsung Displayが最多数を供給すると噂されています。
BOEは価格交渉上の存在感を維持できるか
BOEが利幅の大きいOLEDディスプレイで大型受注を目指す場合、次に考えられるのは、2027年に発表されると噂されているiPad Air向けOLEDです。
ただし、iPad Air向けOLEDは、iPad mini向けと同じフレキシブルOLEDになると噂されています。
そのため、iPad mini向けOLEDで実績を積むSamsung Displayが、ここでも有利になる可能性があります。
BOEがApple向けOLEDビジネスをどのように立て直すのか、またAppleがBOEの低価格提示を活用して韓国のディスプレイサプライヤーとの価格交渉を進められるのかは、現時点では不透明です。
Photo: IT之家, Apple Hub/Facebook
