Smart Analytics Global(SAG)の調査により、2026年第1四半期(1月〜3月)の世界完全ワイヤレスイヤホン(TWS)市場において、Appleが23%という大きなシェアを確保したことが明らかになりました。
しかし、この市場ではオープンイヤーイヤホンという新たなトレンドも勢いを増しており、Appleはまだこの流れには乗れていない状況のようです。
Appleは完全ワイヤレスイヤホン市場で約4分の1のシェア
2026年第1四半期の世界TWS市場において、Appleは23%のシェアを獲得しています。TWSとは完全ワイヤレスイヤホンのことで、ケーブルがまったくなく、左右のイヤホンが完全に独立しており、Bluetooth接続で使用し、ケースで充電するタイプが一般的です。
Appleに次いでシェアが大きかったのは中国のXiaomiで、11%を占めています。その次にシェアが大きかったのはApple傘下のBeatsで、8%となっています。
Apple本体とBeatsを合算すると31%となり、Apple関連ブランドが世界TWS市場で大きな存在感を維持していることがわかります。
気になるのはオープンイヤーイヤホン
TWS市場全体は2026年第1四半期に前年同期比4%増となりましたが、従来型TWSに限ると出荷台数は1%減少したとされています。
一方で、ここに来て注目されているのが、オープンフック型とオープンクリップ型に代表されるオープンイヤーイヤホンです。
オープンイヤーイヤホンは2025年から大きな伸びを記録しており、前年同期比で出荷台数はオープンフック型が48%増、オープンクリップ型が87%増となっています。
確かに街を歩いていても、このオープンイヤーと呼ばれるジャンルのイヤホンをしている人を見かけることが多くなった印象があります。
重要なのは、AppleおよびBeatsの現行イヤホンは、このオープンイヤーというカテゴリには含まれていないという点です。Powerbeats Pro 2などのモデルは一見“オープンイヤー”のように見えますが、あくまでもインイヤー型であるため、オープンイヤーとはみなされないとのことです。
オープンイヤーイヤホンにはどのようなものがあるのか
オープンイヤーイヤホンのカテゴリで存在感を高めているブランドのひとつが、Shokzです。
Shokzは、耳に引っ掛けるように装着するOpenFitシリーズなどのオープンフック型製品に加え、耳を挟むように装着するOpenDots 2やOpenDots Airなどのオープンクリップ型製品も展開しています。
オープンクリップ型で最もシェアが大きいのはHuaweiで、最新モデルはFreeClip 2となっています。
オープンフック型とオープンクリップ型は何が違うのか?
オープンフック型イヤホンとオープンクリップ型イヤホンは一見似ているように見えますが、いったい何が違うのでしょうか?
オープンフック型は耳の上に乗せるように引っ掛けるのに対して、オープンクリップ型は耳の軟骨を挟むように取り付けます。
安定性はオープンフック型のほうが高く、ランニングや激しい運動でもズレにくいとされています。一方、オープンクリップ型はウォーキングや軽い運動向きといえそうです。
特に日本のユーザーにとって決定的に異なるのは、メガネとの併用かもしれません。オープンフック型は耳の後ろでメガネのツルと干渉し、窮屈に感じることがあるのに対して、オープンクリップ型は耳の後ろが空くため、メガネや帽子、マスクと干渉しにくいのが特徴です。
バッテリーに関しては、本体を大きくしやすいオープンフック型のほうが、オープンクリップ型よりも有利と一般的にいわれています。
Appleはオープンイヤー市場に参入するのか
AppleはAirPodsシリーズで完全ワイヤレスイヤホン市場を大きく広げた存在ですが、現時点ではオープンイヤーイヤホンと呼べる製品は展開していません。
AirPods Proの外部音取り込みモードは非常に優秀ですが、耳をふさがないオープンイヤーイヤホンとは根本的に設計思想が異なります。
ランニングやウォーキング、通勤中の“ながら聴き”需要が高まる中で、Appleがこのカテゴリに参入するのか、それともAirPodsの外部音取り込み機能をさらに進化させることで対応するのかが注目されます。
日本でも買えるオープンイヤーイヤホンモデルとは?
オープンイヤー市場で高いシェアを持つShokzは日本でも製品を展開しており、最新モデルのOpenDots 2が29,880円(税込)、OpenDots Airが19,880円(税込)、OpenFit Proが39,880円(税込)で販売されています。
また、ソニーも今年2月に、オープンクリップ型イヤホンのLinkBuds Clip(税込27,500円)を発売しています。
AirPodsと比較するとどうなのか?
ここまで紹介したオープンイヤーイヤホン各モデルとAppleのAirPodsを、価格、スタイル、機能の面から比較してみましょう。
| 製品 | タイプ | 価格(税込) | 特徴 |
|---|---|---|---|
| AirPods 4 | オープン型 | 21,800円 | 耳を完全には密閉しない標準モデル。iPhoneとの連携が強い。 |
| AirPods 4(ANC搭載) | オープン型 | 29,800円 | オープン型ながらアクティブノイズキャンセリング(ANC)に対応。外部音取り込みにも対応。 |
| AirPods Pro 3 | インイヤー型 | 39,800円 | 高性能ANC、外部音取り込み、iPhoneとの連携に強い。 |
| Shokz OpenDots 2 | オープンクリップ型 | 29,880円 | 耳を挟むように装着。メガネや帽子と干渉しにくい。 |
| Shokz OpenDots Air | オープンクリップ型 | 19,880円 | OpenDots 2より手頃な価格の軽量モデル。 |
| Shokz OpenFit Pro | オープンフック型 | 39,880円 | 耳に引っ掛けるタイプ。運動時の安定感が高い。 |
| ソニー LinkBuds Clip | オープンクリップ型 | 27,500円 | ソニーのイヤーカフ型完全ワイヤレスイヤホン。 |
AirPods 4は耳を密閉しないオープン型ですが、ShokzやLinkBuds Clipのようなオープンクリップ型・オープンフック型とは装着方法が異なります。オープンイヤーイヤホンは、ノイズキャンセリングよりも、周囲の音を自然に聞きながら使えることや、メガネ・帽子との併用のしやすさを重視した製品といえそうです。
Photo: SAG/AppleInsider, Shokz, Huawei, ソニー
