FaceTimeがロシアで利用不可に〜プライバシーの高さが問題視

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Appleが提供するビデオ会議アプリFaceTimeが、ロシア国内で利用できなくなったことが明らかになりました。これは、外国製テックプラットフォームを取り締まる動きの一環として行われたもので、特にFaceTimeの暗号化の強さが問題視された模様です。

FaceTimeも禁止アプリリストの仲間入り

FaceTimeがロシアで利用できなくなったことで、同国で利用できないアプリのリストに新たな項目が追加されたことになります。現在のところ、GoogleのYouTube、MetaのWhatsApp、Telegramなどのサービスも同様に利用不可となっています。

ロシア国内でFaceTimeを使用しようとすると、「ユーザーが利用不可となっています」とのエラーメッセージが表示されるとのことです。

ほとんど利用できるメッセージングアプリはない?

ロシアでは、DiscordやSignalなどもすでに利用不可となっており、コミュニケーションの幅がますます狭まってきています。

一方で、AppleのiMessageについては、まだ利用できることがわかっています。iMessageはiPhoneユーザー同士であればエンドツーエンド暗号化が自動的に適用されますが、それでもロシア当局が禁止に踏み切っていないのには、何か理由があるのかもしれません。

日本で人気のLINEも、すでに数年前に禁止されてしまっています。LINEはLetter Sealing(レターシーリング)というエンドツーエンド暗号化技術でメッセージのプライバシーが保たれており、かつロシア国外でユーザーデータの管理が行われているため、規制対象に加えられたのではないでしょうか。

その他の国でもデータ開示の動きはある

Appleは9月末、イギリスでiCloudの「高度なデータ保護」が利用できなくなったと、公式サイトのサポートページで発表しています。これは英政府からの要請を受けての措置ですが、ユーザーにとってはバックアップ、ドライブ、写真などのiCloudデータをエンドツーエンド暗号化で守れなくなるため、大きな打撃と言えます。

インドもAppleに対し、政府開発のセキュリティアプリをデフォルトインストールした状態でiPhoneを出荷するよう求めていますが、Appleはこれに抵抗していると先日報じられたばかりです。

Photo: Apple

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