敵同士では?なぜAdobeの元最高技術責任者がApple Watchを作っているのか
アップルの新作発表会WWDCでApple Watchを担当しているKevin Lynch氏のことを知っているユーザーは多くないかと思います。彼は同社でiPod nanoやApple Watchの開発を主に手がけてきましたが、もとはと言えば、Adobeの最高技術責任者(CTO)でした。そんなLynch氏がジョブズ氏の生前、2人でFlashについて激論を交わしたことを告白しています。
なぜAdobeの最高技術責任者が?
他の幹部に比べると、Kevin Lynch氏がアップルに入社した時期は比較的最近です。彼は2013年以前、Adobeの最高技術責任者(CTO)として、同社のクラウド開発に携わっていました。しかし、Adobeと言えば、ジョブズ氏がiPhoneにFlash機能の搭載を見送ったことによって、一気に同サービスが衰退の道を歩む羽目になったことは、良く知られているところです。
それだけになぜ、過去にはAdobe公式ブログでFlashの有効性を賞賛していたLynch氏がアップルに入ったのか、不思議に思うのも無理はありません。アップルに興味を持ったきっかけは2010年、ジョブズ氏と激論を交わしたことだと同氏は語ります。
激論を交わした後、勧誘してきたジョブズ
これまでに私が困難に立ち向かった回数は少なくないが、その1つがアップルに入る数年前に、スティーブと私で討論したことだ。議論に勝つのは簡単ではなく、最終的には負けてしまったのだが、驚くべきことが起きた。スティーブは議論を通して、私のことをもっと良く知ろうとし、さらには一緒に働かないかと持ちかけてきたんだ。その時の私はまだアップルに入る時ではないと考えていた。だが、彼がドアを開けたままにしておいてくれたのさ。
その後、彼の身には不幸があった。彼と議論を交わした時のことを思い出さずにはいられないし、アップルに入ったことをとてもうれしく思う。何を作るべきか正確に分からずがむしゃらにやってきたが、アップルでは本当に素晴らしいチームと働くことが出来ている。私がアップルに入って最初に与えられた任務が、Apple Watchを作ることだった。エンジニアやデザイン面ですさまじい量の仕事をこなし、ようやく完成したものなんだ。
現在、アップル公式サイトの幹部一覧ページに彼の姿を見つけることは出来ません。しかし、もし2016年に発表されるApple Watch 2が素晴らしい成績を収めたならば、きっと上級副社長に就任する日もそう遠くはないでしょう。
Source:9to5mac,威锋网
(kihachi)
iPhone Mania編集部
iPhone Mania編集部です。iPhone、MacなどApple製品が大好きな国内外のライターが集まり、2013年から記事を執筆しています。Apple製品の最新情報から使い方、お役立ち情報まで、幅広くお伝えしていきます!
iPhone Mania編集部ライター: kihachi の記事一覧