アップルvsサムスンの4年に渡る特許侵害訴訟、674億円をアップルに支払うことで合意
アップルとサムスンは12月3日、特許侵害に関する訴訟について、両社の間で金額の合意に至ったことを明らかにしました。サムスンがアップルに対し、5億4,800万ドル(約674億円)の支払いを行うこととなります。
ようやく泥沼裁判に終止符か
今回サムスンが5億4,800万ドル(約674億円)の支払いに応じたことで、2011年にアップルがサムスンを訴えて以来、今に至るまで長々と続いてきた裁判に、ようやく1つの終止符が打たれたこととなります。12月14日までに支払いが行われる見通しです。
とはいえ、5億4,800万ドルという数字は、両社にとっては意味合いが異なるものとなります。
アップルにとっては、この額は少なすぎるでしょう。もともと同社は1審判決においては、サムスンのGalaxy SシリーズがiPhoneの形状や色を模倣したとする訴えが認められ、9億3,000万ドル(約1,115億円)の賠償額を勝ち得ていました。しかし、その後の2審では一転して、形状や色に関しては米商標法で保護される範疇ではないとして、スクロールやズーム機能のみが賠償の対象となってしまいました。
逆にサムスンにとっては、この賠償額は多すぎると感じるでしょう。同社は7月、提示された額が高すぎるとして、減額を行うか完全撤回するよう、米連邦巡回控訴裁判所に異議を申し立てていました。
米国特許商標庁(USPTO)が、アップルの保持するピンチ-ズーム機能の特許に基づいた請求が無効だとする判断を再三に渡って下しているうえ、Facebookやグーグルといった他のテクノロジー企業がアップルを批判する声明を出したことも、サムスンを勢いづける結果となりました。最終的に、この異議申し立ては棄却されてしまいましたが、同社に同情する声が多かったのも事実です。
まだまだ続く「延長戦」?
その後、どのような紆余曲折や取引があったのかは図りかねますが、今回の発表から分かる限りでは、サムスンは最終的に裁判所より提示された賠償額を飲むことに、ひとまず同意はしたようです。まさかとは思いますが、同社が申請した特許の画像に含まれていた「iPod」アイコンが決め手となったのかも知れません。
しかし、アップルの特許を無効だとする措置が今回の合意以降に採られた場合、支払った金額の一部か全額を返還してもらう権利をサムスンは主張しているほか、アップルも今回の裁判にかかった費用の計180万ドル(約2億2,000万円)をサムスンに請求するつもりであることが明らかとなるなど、まだまだ「延長戦」が続きそうなムードは漂っています。
Source:ZDNet
(kihachi)
iPhone Mania編集部
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