2015年10月22日 22時42分

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首相のかけ声でスタートした携帯料金引き下げ会議、残念な内容が明らかに

総務省 地域BWA 新電波

 
安倍首相の掛け声により、携帯電話料金引き下げのため総務省に設置された有識者会議について、傍聴したジャーナリストの石川温氏が「ユーザー不在」「お寒い内容」と批判しています。

有識者会議の第1回会合を傍聴したジャーナリストが批判

有識者会議は、9月に安倍首相からの指示を受けて9月末に設置された「携帯電話の料金その他の提供条件に関するタスクフォース」で、10月19日に第1回会合が開催され、年内の決着を目指しています
 
この第1回会合を傍聴した、携帯・スマホジャーナリストの石川温氏が、10月22日付けの日本経済新聞電子版で、会議の内容を批判しています。

総務省主導の「答えが用意されている」会議

石川氏によると、初会合は総務省から与えられた3つのテーマについて議論したものの、いずれも「既に答えが用意してあるテーマ」と映ったとのことです。
 
「割安なプランを設ける」というテーマについては、2GBからはじまる大手キャリアのデータ通信パックを1GBや1.5GBからに引き下げることが議論されたものの、これはすでにワイモバイルが提供しており、ユーザーの需要に眼が向いていないのではないか、と懸念されています。
 
「格安スマホの利用者を増やす」政策は、格安スマホを提供するMVNOが、実店舗を持たずコストを下げ低料金を実現しているのに、全国に実店舗網を持たせようとする意見が出るなど、「有識者」の基本的な知識不足を疑うような議論もあったようです。
 
さらに「端末と通信の料金を分離し、複雑な販売方法を見直す」テーマは、2007年から何度も議論され、総務省が指導をしているものの、結局は端末と料金の一体化が消費者に受けることで元に戻っており、今も月額料金が割高になっても「実質0円」端末が一般的です。

「的外れ」「イライラしてくる」

石川氏は、会議の様子を随時Twitterで公開しており、つぶやきからは議論への苛立ちが感じられます。
 


 


 
石川氏は、傍聴した印象として「3つのテーマのいずれも矛盾と的外れな内容ばかりで、傍聴している方がイライラしてくる」と痛烈に批判し、「総務省にとやかくいわれる前に、キャリアにはぜひとも率先して誰もがわかりやすいと実感できる料金プランを作ってもらいたい」と日本のキャリアにエールを送っています。

総務省はWebサイトで会議資料を公開

総務省のWebサイトでは、会議資料が掲載されており、誰でも見られるようになっており、今後、大手キャリアやMVNO各社、消費者相談窓口へのヒアリング項目案なども公開されます。
 
携帯電話の料金その他の提供条件に関するタスクフォース
 
今後、私たちユーザーがメリットを感じられるような政策に向けた検討が進められることを期待しつつ、議論の方向に注目していきたいと思います。
 
 
Source:日本経済新聞, 総務省
(hato)

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iPhone Mania編集部

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