アップル、騒動受けA9の受注をサムスンから減らす方向へ―JPモルガン・チェース
同じiPhone6sシリーズに搭載されたA9プロセッサでありながら、サムスン製とTSMC製で性能が異なる「チップゲート」問題に関して、アップルはサムスン電子に対して、A9プロセッサの発注を減らす公算が高いことが分かりました。
背景には「チップゲート」問題
台湾の経済日報が伝えたところによると、JPモルガン・チェース台湾は最新レポートで、iPhone6sとiPhones6s Plusに搭載されているA9プロセッサについて、サムスン電子に対する発注を減らすとの見方を明らかにしたそうです。
背景には、A9プロセッサはサムスンとTSMCの2社が製造を請け負うマルチファウンドリ体制が採られていたものの、サムスン製の14nmプロセスで製造されたプロセッサが、サイズはTSMCよりも小さいものの、消費電力が大きいことが明らかになり、大問題となっている事態が挙げられます。
A10プロセッサはTSMCで確定的か
アップルは、サムスン製とTSMC製のものとで、性能に差があることは認めながらも、差は2-3%に留まるとし、通常使用ではさしたる違いが見られないことをアピールしていました。
しかし依然として、商品を購入するまでサムスン製かTSMC製のものかは分からないこと、台湾では大半がサムスン製という「ハズレ」であるなど、地域やiPhoneモデルによって比率に大きく差があることなどが問題とされていることから、今回の発注量調整の観測が事実であるとするならば、何とかアップルとしても収拾を付けたかったと言ったところでしょうか。
また、同レポートは、これによってA10プロセッサもTSMCの独占製造が、より確実視出来るのではないかとしています。この他にもサムスンは、Global Foundriesから業務提携を見直されたばかりであるだけに、今回の事態を受けて、今後ファウンドリとしての立場は一層厳しいものとなりそうです。
Source:EMSOne
(kihachi)
iPhone Mania編集部
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