KDDI過去最高収益の裏で疲弊するauショップ、現場からは怒り。
iPhoneの好調が寄与し、前年同期の5割増しで過去最高益の好調を発表したKDDIですが、その裏で苦い思いをさせられている方々がいます。週プレNEWSによると、KDDI本体の好調を支えているauショップの現場では、驚くような無理がまかり通っているとのことです。
4,000円のSDカードを1万円で売らせ、売れない店には顧客貸出用代替機を制限
記事でインタビューに応じているauショップ運営会社幹部によると、KDDIからauショップへの圧力に現場は疲弊している模様です。具体的には、通常市価4,000~6,000円程度で売られているマイクロSDカードをauが5,000円で卸し、1万円で売り利益を上げることを求められるそうです。KDDIとしては、自分で汗を流さずにショップに努力させて丸儲け、という構図です。このやり方に反発しようにも、SDカードやコンテンツといった「オプション」の販売成績が悪いショップには修理受付時の代替機貸し出しを制限する等のプレッシャーがあるため、KDDIのやり方を受け入れなくてはならない現状だそうです。これは、顧客へのサービスを人質に、KDDIの収益に貢献することを求められている構図と見えます。また、利益をアピールするために代理店が自腹で液晶保護シールなどを購入してノベルティとして配ることを求められたり、ガラケー購入希望の顧客に、パケット通信料で利益幅の大きいスマホを買わせるよう「指導」があったりするそうです。
ユーザー軽視の姿勢に専門家も疑問を呈す
ユーザーを「金づる」のように位置づけるKDDIの姿勢に、携帯電話業界に詳しい青森公立大学経営経済学部の木暮祐一准教授も疑問を投げかけています。iPhone 5s / 5cが発売された後に販売ランキングでauのiPhone5がトップになった異常事態をお伝えしましたが、auがしきりに宣伝する「プラチナバンドLTE」が全く使い物にならない端末を、在庫処分と目先の利益のためにキャッシュバック付きで投げ売りしている現状では、iPhone5を使い続けているauユーザーが置き去りにされています。
木暮氏は、auが現在エリア整備中としている2.1GHz帯のエリア整備についても疑わしいと述べています。地方出張の際、地方都市の市役所周辺ではLTEが入るのに繁華街だとauは圏外になってしまうそうです。カタログやホームページでアピールできる「人口カバー率」を良く見せかけるため、市役所周辺だけをカバーしているのではないか、といいます。
エリア偽装にオプション問題、販売現場を使い捨て
当サイトでは、iPhone5のエリア虚偽広告問題に関する二枚舌営業に関する報道をご紹介しました。市役所周辺だけカバーして「人口カバー率」を良く見せかける姿勢は粉飾まがいと言われても仕方ないでしょう。また、auショップ幹部のインタビューは、当サイトで詳しくご紹介した携帯電話業界の代理店構造の根深い問題を如実に表しています。auショップでのオプション加入強制問題について、KDDIの田中社長は「改善を指示する」とコメントしていますが、真の顧客満足度実現に、本気で取り組むことが求められます。
参照元:週プレNEWS
執 筆:hato
iPhone Mania編集部
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