広告をブロックすると言ったな、あれは嘘だ―Crystal、金払えばフィルター適用外に
iOS9の目玉として搭載された新機能「コンテンツブロッカー」を有効化するために必要なアプリのなかでも、最も人気が高い広告ブロックアプリ「Crystal」が、今後は企業と協力し、一部広告を許可していく方針であることを明らかにしました。
今後は金を払えばフィルターの適用外に
米メディアThe Wall Street Journalによれば、「Crystal」の製作者Dean Murphy氏は、もともと無料だった同アプリの有料化で、既に7万5,000ドル(約900万円)を手にしているそうですが、広告やマルウェア対策のソフトウェアで知られる「Adblock Pro」と全面協力し、今後同社に金銭を支払った企業の広告は、「Crystal」のフィルターから除去する方針であることが分かりました。
すでにマイクロソフトやグーグルが金銭を支払い済みとのことで、現時点では70社ほどの会社が「Crystal」のフィルター適用外となるようです。
ひとまずパブリッシャーは安堵
こういった動きに対し、ユーザーからは批判が大きく巻き起こり、「Crystal」がTwitterトレンドにまでなる炎上ぶりを見せていますが、Murphy氏によると、フィルターから一部広告を除外する方針にしたのは、「パブリッシャーを守らなければユーザーのためにもならない」と考えたからとのことです。
パブリッシャーの多くは、グーグルAdSenseに代表されるような広告をサイト上に掲載することで、マネタイズを行っています。したがって、広告が閲覧ないしクリックされないと、パブリッシャーは自サイトの運営もままならず、これではユーザーのためにならないのではないか、というわけです。
透明性のなさを疑問視する声も
しかし、具体的にどんな企業を、どのような条件・基準でフィルターの適用外にするのかについては全く明らかになっておらず、ニュースサイトTHE VERGEは「(金儲けの)正当化が虚しく響く」と舌鋒鋭く批判、ネットでも「ライバルアプリに駆逐されるだけだろう」との見方が多勢を占めています。
先日も広告ブロックアプリ「Peace」がパブリッシャーに与える影響力の高さからアプリの公開を停止し、返金に応じる意向を示したばかりですが、影響力が大きくなればなるほど、アプリ開発者は自身の持つパワーについて責任を感じてしまうのかも知れませんね。
Source:THE VERGE
(kihachi)
iPhone Mania編集部
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