Foxconnの従業員14人、社内システムを悪用し、次々とiPhoneを「ロム焼き」
Foxconnの従業員が集団で、社内の人間のみがアクセス出来るシステムを利用し、「SIMロック解除」「ロム焼き」などiPhoneの改造請負に手を染めていた事件の裁判が行われ、主犯の3人それぞれに、懲役5年と100万元(約1,800万円)の罰金を科す判決が下されました。
システムを悪用出来ることに気づく
広東省の深圳に位置するFoxconnに務める吴被告と仲間はある日、SIMロックの解除や、ロム焼きと呼ばれる端末のアクセス権限を奪う改造などが、社内のシステムを使えば、容易に出来ることに気づきました。
早速、浙江省のFoxconnにいる別のメンバーと連絡を取りながら、1台400-500元(約7,200円-9,000円)程度のコストで済む、独自低価格ルートでアメリカ版のiPhoneを入手、中国国内にて高値で売りさばくため、こっそりと改造業務を開始しました。
中国全土にネットワークを拡大へ
次第に彼らは、「事業」の規模を拡大しようと考え、今度は河南省の鄭州にあるFoxconnの主任を買収することに成功します。取引は、施設内に無線LANを設置し、改造iPhoneの認証を請け負ってもらう見返りとして、毎月給料を支払うというものでした。
主任は自分の部下を囲い、当初は作業室に無線LANを設置していましたが、次第にバレるのをおそれ、無線LANは備品室に隠されることとなります。さらに「作業」を行うとき以外は、電源がオフにされるという気合の入れようでした。
かくして、彼らは鄭州のFoxconnに設置された無線LANを使って、アップルとFoxconnの機密データにアクセス、次々とロム焼きを行い、焼き終えると履歴を削除…というプロセスを続け、数ヶ月間で9,000台ものiPhone改造と転売に成功し、300万元以上(約5,400万円)もの利益を手に入れます。
うまい話が続くわけもなく
しかし、いい話は長く続くものではありません。メンバーの一部が、香港などから大量にアメリカ版のiPhone買い付けを同時進行で行っていましたが、見つかったことで解雇、さらに間の悪いことに、Foxconn自身が不正なアクセスを発見したことによって、巨大な計画の全てが白日の下に晒されることとなります。
関わった犯人は分かっているだけでも14人、彼らには最低で2-30万元(約36万-540万円)、最高で懲役5年に加え100万元(約1,800万円)の罰金が科されることとなりました。
供述によれば、彼らはこの技術を、以前Foxconnがアメリカのアップルへ事業研修として派遣してくれた際に身につけたとのことですが、よかれと思って彼らをアメリカへ送り込んだ会社にとっては、とんだ「恩返し」となってしまいました。
Soruce:人民網,MyDrivers
(kihachi)
iPhone Mania編集部
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