2015年7月27日 20時42分
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栄枯盛衰のBlackBerry、ついに白旗―売上不調でスマホ撤退開始
BlackBerryがスマートフォンから撤退を始めています。2014年の第4四半期に収益が31%も減少し話題となったBlackBerryですが、複合企業のサムスンと異なり、あくまでも携帯がメインの同社にとって、この数字は死活問題です。こういった状況を受け、世界的なBlackBerry離れに歯止めがかかからないため、同社はスマートフォンから部分的に戦略的撤退を行うつもりであることを、CEOのJohn Chen氏が27日、明らかにしました。
ローエンド・モデルに見切りをつけ
BlackBerryは現在、コストを下げるため、台湾と中国本土の企業に製造をアウトソースしている状態ですが、さらに経営を安定化させるために、来年を目途に製造モデルを絞り込むことも発表しています。
消滅するモデルは低価格のローエンド端末が中心となる見込みで、他ベンダーが格安スマートフォンを新興国で販売することに熱を上げている状況とは対極的です。
BlackBerryの栄枯盛衰

BlackBerryは、iPhoneが台頭してくる以前のスマートフォン市場におけるアイコン的な存在で、オバマ大統領が愛用していたことでも知られています。
2008-2010年にかけてが同社の売上ピークとされており、全盛期には1年間で3,700万台を出荷し、スマートフォン市場においても半分のシェアを占めていましたが、現在のシェアはわずか0.8%にまで落ち込んでいます。リサーチ会社IDCの調査によると、2018年までに同社のシェアは0.3%にまで減少するとのことです。
Android OSに生き残りを賭け

しかし、まだ全ての希望が潰えたわけではありません。2015年11月には、Android OSを搭載したBlackBerry「Venice」が登場する予定です。
また、先述したIDCは、ミッドエンド-ハイエンド・モデルに絞るだけではBlackBerryの経営改善は不十分としており、「2014年にシェア1%を割り込むという予測を基にすれば、BlackBerryに唯一残された道は、セキュリティー資産をベースにしたニッチな市場へのアプローチだろう」と厳しい分析を行っています。
Source:iTechPost,Bloomberg,WSJ
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iPhone Mania編集部
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