え?iPhoneやiPadで外付けキーボードを使うと特許侵害?な特許が登録
名古屋市に本社を置くエイディシーテクノロジーは7月7日、外付けキーボードに関する特許2件を取得したと発表しました。同社は、「現在市場にある多くの製品は、この2件の当社特許に抵触する」と主張しています。
iPhoneにBluetoothキーボードをつないで使うと特許侵害?
エイディシーテクノロジーが取得したと発表している2件の特許は、iPhoneやiPadのようなスマートフォンやタブレットと併用する外付けキーボードに関するものです。
1つは、外付けキーボードを使用すると画面上からソフトキーボードが非表示になる機能についてのものです。iPhone6 PlusでBluetoothキーボードを使ってのレビュー記事でご紹介したように、画面を広く使えて便利な機能ですが、これについて同社は特許を主張しています。
もう1つは、「どのコンピュータに接続しても利用しやすい環境で利用できる」というもので、「キーボードに備えられている記録をコンピュータにマウントしない限り、データを使用することができない」と述べられています。
これらの特許に関係して同社は、以下のように主張しています。
現在市場にある多くの製品は、この2件の当社特許に抵触すると思われます。例えば、会社の業務などでスマホ、タブレットに外付けのキーボードを使用してデータを入力する場合にも、これらの特許に抵触する可能性が大きいです。
同社では、キーボードにライセンス付与のシールを付して販売いたします。
ライセンス付き製品のラインナップは今後増やしていく予定です。
ライセンス付与のシールが付されていないキーボードを引き続き使用される場合には、特許侵害となる可能性がありますので、ご注意ください。
本稿執筆時点で、同社Webサイトに「ライセンス付与」製品は3点しか掲載されておらず、これ以外のキーボードを使用したユーザーが特許侵害とは、随分乱暴に思えます。
2003年には「2画面ケータイは特許侵害」と主張
ちなみにエイディシーテクノロジーは、折りたたみ式携帯電話が全盛期だった2003年に、「2画面の携帯電話に関する特許を取得した」と発表していました。この特許はオランダの企業が出願して拒絶されたものを同社が買い取り、内容を補正して出願したところ認定された経緯がありました。
同社は、大手キャリアや端末メーカーの販売する端末について特許侵害だとして警告書を送り、NTTドコモやNECから民事訴訟を起こされ、敗訴しています。
海外でも横行、大手企業を標的にする「特許屋」ビジネス
大手企業などを標的に、「自社の特許を侵害された」と主張し巨額の損害賠償を主張する、「特許屋」と呼ばれる企業は、海外には多数あります。アップルも、特許専門会社から「通信プロトコルの特許侵害だ」と訴訟を起こされたものの、「特許を侵害していない」と勝訴しています。
Source: エイディシーテクノロジーのプレスリリース,(特許第5524148号),(特許第5149336号),「2画面携帯特許」での判決報道(日経コンピュータ)
(hato)
iPhone Mania編集部
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