今後、iPhoneの販売台数が伸び悩む3つの理由
iPhone6/6 Plusが大ヒットし、最近のAppleは驚異的な売り上げを記録していますが、ドイツ銀行のSherri Scribner氏は、iPhoneの販売について悲観的な予想を発表しました。
iPhoneの爆発的販売増は行き詰まる?
ドイツ銀行のScribner氏は、最近のAppleの業績が絶好調であることを認め、1株当たり利益を8.99ドルから9.17ドルに引き上げつつも、iPhone販売の伸び悩みが近いとの分析を発表しました。
Appleは4~6月の四半期に5,000万台のiPhoneを販売し、昨年10月から今年9月の1年間では、前年度の1億6,900万台から約42%の伸びに相当する約2億3,950万台のiPhoneを販売しています。
iPhoneの販売が伸び悩む3つの理由
iPhoneの販売が伸び悩む理由としてScribner氏は、3つの理由を挙げています。
理由1:iPhoneのシェアは15~20%に落ち着く
iPhoneシリーズは、スマートフォン市場を大きく拡大するほど好調でしたが、この好調の波は落ち着くと予想されます。過去の動向から、iPhoneのスマートフォン市場シェアは2011年第4四半期の23%がピークで、今後は15~20%のシェアに落ち着くと見ています。
特に2014年に発売されたiPhone6/6 Plusは大ヒットしましたが、これは画面サイズを大きくしたこと、中国大手のチャイナモバイルでの販売効果が影響しており、今後の拡大には作用しません。
理由2:高価格帯スマホの市場はすでに成熟期
3月期の平均販売価格が659ドル(約8万円)のiPhoneは、スマートフォン市場の中で高価格帯に位置づけられています。高価格帯の市場はすでに成熟期を迎え成長は望めない状態にあり、高価格帯市場で約6割のシェアを持つiPhoneの座は安泰ではないと見ています。
理由3:スマホ市場の急激な冷え込み
最後にScribner氏は、スマートフォン市場全体が急激に冷え込みを迎えており、3月期の販売数の伸びは16%と、2014年通期の28%から明らかに低下しており、2015年通期では11%程度になると見ています
これらを踏まえてScribner氏は、iPhone6s発売後にあたる2015年10月からの1年間、iPhoneの販売台数は前年から2%の伸びにとどまり、2億4,300万台になると予想しています。
Apple Watchの販売台数を公表しないと投資家の失望を呼ぶ?
Apple Watchについては、「出荷台数を見積もるのは困難だ」と述べ、販売台数を少なめに見ています。4月~6月の四半期で390万台、2015年では1,800万台を出荷し800億ドル(約9,760億円)を売り上げたと推定しています。
Scribner氏は「投資家たちは、Appleが次回の四半期決算発表でApple Watchの出荷台数を公表することを望んでいるはずだ。もし公表されなければ、投資家は失望するだろう」とコメントしています。
Source:Barrons
Photo:Apple
(hato)