2015年6月18日12:47公開 / 2015年6月18日18:19更新
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リアルタイムで分かるようになったGoogle Trends、グーグルが我々に見せたいものとは
グーグルは6月17日、リアルタイムで何が検索されているかが一目で分かるよう、同社のサービスであるGoogle Trendsを大幅アップデートしました。視覚的に改善されただけでなく、MERSや大統領選といった話題性の高いトピックに関しては、関連情報を含めた詳細な解説も閲覧することが可能となっています。
分かりやすくトレンドをビジュアライズ
今回のアップデートは、単にリアルタイムで話題性の高いトピックがGoogle Trends上で分かるだけではありません。毎分ごとに画像が切り替わり、何がトレンドであるのか、視覚的に理解できるようになっています。
これまでは情報が少なすぎたようなニッチなトピックに関しても網羅されているのみならず、高ランクに位置するトピックに関しては、YouTubeやGoogle Newsも一緒に掲載され、トピックの背景を深く知ることが出来ます。
グーグルは、今回のアップデートに関して、NBAファイナルからドナルド・トランプの大統領選まで、「早く、深く、そして世界をより包括的に理解する」ことが出来るようになったと述べています。
そしてビッグ・ブラザーへ

しかし、こういったグーグルの野心的な試みは、その影響力の大きさゆえに、しばしば危険性が指摘されています。
例えば、イーライ・パリサー氏の著書「閉じこもるインターネット」では、トラッキングした情報をもとに、最適化された検索順位や広告、ターゲティング・キーワードでユーザーを囲い込んでしまうため、最終的にはユーザーが見たいと思っているものしか物理的に見えなくなるような世界が、グーグルによって作られつつある状況が指摘されています。
また、先日日本で公開された映画「トゥモローランド」でも、「世界はこうである」という情報をプラットフォーム上で提供すると、受け手がその情報に対して思い込みを強め、その結果より一層「こうである世界」が強化されるという、正のフィードバックが発生してしまう現象が、映画を理解する上で重要なキーワードとなっています。
もちろん、トレンドを閲覧したユーザーが、さらなるトレンドを作り出し、最終的に大きな潮流となるような状態は、アラブの春に代表されるような民主化運動など、時には好ましい結果をもたらすことも事実であるだけに、一概に非難はできません。
グーグルという巨大企業の新たな試みが、人々の活動や生活様式にどのような影響を与えていくのか、今後も注目したいところですね。
Source:ZDnet,TechCrunch
Photo:Amazon
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iPhone Mania編集部
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