2015年5月25日17:58公開 / 2015年5月26日13:02更新
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「4隅が丸いデザインもサムスンに模倣された」アップルの訴え、さすがに高裁で通用せず
アメリカの高等裁判所は、サムスンに対して9億3,000万ドル(約1,116億円)の巨額賠償金をアップルに支払うよう命じた判決を棄却し、地方裁判所に賠償額を再査定するよう差し戻しを行ったことを明らかにしました。
2012年に下された判決を差し戻し
問題となった判決は、カリフォルニア州の連邦地方裁判所によるもので、4隅が丸みを帯びており、黒い枠線で囲まれ、平らで綺麗な表面というiPhoneの特長をサムスンは模倣しており、9億3,000万ドル(約1,116億円)をアップルに対して支払わなければならない、というものでした。
しかし今回、アメリカの巡回連邦控訴裁判所(高等裁判所)は、「サムスンがiPhoneのデザイン特許を侵害しており、同社のブランド価値を希釈化している」とする判決を部分的に認めつつも、上記のデザイン自体は保護されるべきものではなく、したがって賠償金も再審理する必要があるという判断を新たに下しました。
機能に直結するかどうかが焦点
現行の法律では、それがスマートフォンの機能に直結するデザインであれば、権利の独占は認められていますが、アップルが模倣されたとしている上述のデザインは、今回裁判所で「機能的なもの」と判断されなかったため、連邦控訴裁判所は、サムスンが同様のデザインを用いたことは特許侵害に当たらないと判断したようです。
その一方で、スクロール機能やズーム機能といったその他のデザインは、「機能的なもの」であるため、アップルの訴えが認められ、賠償額は維持されることとなりました。
アップルは今回の判決に対し、「サムスンがアップル製品をずうずうしくもコピーしていることが明らかとなった」とコメントしました。
一方でサムスンは、米メディアNew York Timesの取材に、「外観上の特長や、メリットのないデザインにまで賠償を敷衍しようとするアップルの主張は、全く持って誇張され過ぎていることが、今日の判決で示された」と答えました。
Source:NYT
Photo :BGR
(kihachi)
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iPhone Mania編集部
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