2015年5月14日 13時51分
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FoxconnがオープンソースOSのCyanogenに大規模投資、脱グーグル&アップルが狙い
オープンソースOSを手がけるCyanogenは、アップルの下請けとして有名なFoxconnから5月11日、8,000万ドル(約96億円)の投資が行われたことを明らかにしました。Foxconnはこれまでにも積極的に、Androidの対抗馬と目されている企業へ投資しており、Cyanogenを始めとした、アップルでもグーグルでもない第3勢力の中で、同社の影響力を強めていくことが狙いだと考えられています。
グーグルから脱却しマイクロソフトと提携

Cyanogenは、これまでAndroid用のカスタムROMとしてCyanogenModを提供していましたが、2015年初頭、グーグルへ過度に依存しないOSを開発する方針を表明し、従来のModでは弄ることが出来なかったようなAndroidのコア部分すらも改変した、フォークバージョンのAndroid OSである「Cyanogen OS」を提供していくとしました。
フォークバージョンのAndroid OSは、本来のAndroidにはプレインストールされているGmailやGoogleマップのアプリが使用できないといった問題がありますが、Cyanogenは独自のアプリストアを提供することを明らかにしているだけでなく、2015年4月には、マイクロソフトと提携することにより、Office、Skype、Outlook、Bingといった同社の主要アプリをクラウドベースで使用可能にするなどして、フォークバージョンに伴う欠点を補うことに成功しています。
新興国メーカー中心に続々と採用

すでにCyanogen OSは、格安スマートフォンを提供するOnePlusや、Xiaomi、Smartisian、Micromax、Yurekaなど、中国やインドのメーカーを中心として220機種に採用されており、今後も新興国を中心としてシェアを拡大していくことが期待されています。
上図からは、格安スマホメーカー各社が、Android OSから続々と脱却の動きを強めていることが分かります(CMは「CyanogenMod」の略)。
Foxconnの思惑と合致か
こういったCyanogenの方向性と、先月もインドに35億ドル(約4,200億円)の投資を行うことを発表するなど、積極的に中国以外での生産基盤を拡大するだけでなく、アップルの下請けからも徐々に脱却したいと考えるFoxconnとの思惑とが、今回の投資案件では見事に合致したものだと思われます。
また、Androidが独占禁止法に抵触している可能性があるとして、EUの欧州委員会から捜査の対象となっていることも、iOSでもAndroidでもない、新たなOSの台頭を後押しする格好となっています。
参照元:Patently Apple、Qdaily、Cyanogen:Facebook
執 筆:kihachi
著者情報
iPhone Mania編集部
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