Swatch、アップルに対抗、開発中のスマートウォッチにNFC決済を搭載
スマートウォッチの開発を表明しているスイスの時計メーカーSwatchは、リリースを予定している新製品にNFCを利用した決済システムを搭載するよう金融機関と交渉している模様です。SwatchはApple Watchをはじめ、競合するスマートウォッチに対抗するため、モバイル決済の機能が欠かせないと判断したようです。
Swatch、中国Union Payほかと提携か
ウォールストリート・ジャーナルは、Swatchが中国のUnionPay、スイスの銀行とクレジットカード会社と提携したと報じていますが、SwatchのCEO(最高経営責任者)、Nick Hayek氏は提携したとされるスイスの銀行とクレジットカード会社の具体名についてはコメントを拒否しました。
低価格モデル、OMEGAブランドにも搭載
Hayek氏はリリースを予定しているスマートウォッチの仕様について、充電する必要が無く、インターネットに接続できると今年初めに説明していました。新製品ではプラスティック筐体の低価格モデルだけでなく、Omegaブランドで提供する高級モデルにも、NFC機能を搭載し、モバイル決済はもちろん、ホテルの部屋のキーとして使用できるようにする予定のようです。
Swatchは今週、同社のデジタル腕時計、Swatch Touchシリーズに歩数計機能を追加しましたが、Hayek氏は「Swatchは消費者向け技術を提供する会社ではなく、腕に身につける小型化した、機能を限定した携帯電話を作るつもりはない」と述べています。
従来はスマートウォッチに否定的だったが
Hayek氏は、かねてからApple Watchのようなスマートウォッチに否定的な立場を表明してきましたが、最近ではその意見も変わってきたようです。ウォールストリート・ジャーナルは、Hayek氏はApple Watchをこれまでのスマートウォッチの中で、最も良くできたものと評価しており、SwatchとAppleの製品はこのマーケットで十分競合できるライバルとなるだろうと述べていると報じています。
Apple Watch、Swatchに売上で打撃
SwatchはApple Watchなどのスマートウォッチへの対応が不十分な場合、低価格から中価格モデルの売上の3分の1にあたる、何百万ドルもの売上を失うことになります。金融グループExane BNP ParibasのアナリストLuca Solca氏は、Apple Watchをはじめとするスマートウォッチが、Swatchの低価格帯腕時計の売上げの10%を奪うことになると予想しています。また、中価格帯では同社のMidoやTissotブランドの5%が影響を受けるとも予想しています。
この予想によると、2015年のSwatchの売上予想は103億スイスフラン(約1兆2,449億円)ですが、この内およそ5億スイスフラン(約604億3千万円)がApple Watchなどのスマートウォッチに奪われることになりそうです。
参照元 : Apple Insider
執 筆 : リンゴバックス