2015年3月4日13:21公開 / 2015年3月4日14:46更新
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NSAも跳ね返す!?ブラジルから史上最強のセキュリティスマホ到来
個人情報を絶対に漏らしたくない。たとえ相手がNSA(アメリカ安全国家保障局)でも――そんな高度な要求に応えたスマートフォンがブラジルから登場しました。なぜブラジルなのか、と思った方は多いのではないでしょうか。現在ブラジルは、国家の威信を賭けて、機密情報の漏洩対策に取り組んでいるのです。
セキュリティ会社が開発したスマートフォン

世界最大の携帯通信関連見本市であるモバイル・ワールド・コングレス(MWC)で、セキュリティ会社のSikurは最高度の認証機能を組み込んだスマートフォン、Granite Phoneを発表しました。このスマートフォンを使用すると、電話やメッセージ、チャット、Eメールなど、全てが暗号化されます。
また、スマートフォンが手元になくとも、遠隔操作で内部データを削除できるほか、あらゆるスパイウェアを防ぐアンチウイルスソフトなども完備しています。
SikurのチーフオフィサーであるLeandro Coletti氏は、「一度ロックされれば、他のソフトは決してインストールされない」と胸を張ります。
さらに、iPhoneやAndroid端末向けにも、同様の機能が使用できるセキュリティソフトを提供するとのことです。
大統領までスパイされていた

しかし、ブラジルでこのようなスマートフォンが開発されたことは、決して偶然ではありません。
エドワード・スノーデン氏のリークによって、イギリス政府とアメリカ政府が世界中の機密情報を傍受していることが明らかとなり、各国政府に衝撃を与えましたが、ブラジルも諜報対象の例外ではありませんでした。
このようなアメリカ政府によるスパイ行動を受けて、ブラジル政府は、「反のぞき見(アンチ・スヌーピング)」対策が施されたEメールのプラットフォームを構築し、さらにアメリカをわざわざ迂回してブラジルとヨーロッパ間を結ぶ電信ケーブルに投資する、といった行為に出ました。
まさに国を挙げてのセキュリティ対策であり、何が何でもアメリカには傍受させまいとするブラジルの意地が見て取れます。
しかし、先述したColetti氏は、「ブラジルがスノーデン絡みで震源地であったことは確かだが、今までは実践的な対応が取れていなかった」と述べます。
事実、先週には、Dilma Rousseff大統領までモニタリングされていたことも発覚しました。
気になるスペックとお値段は

スペックは、QualcommのSnapdragon800 2.26GHzをCPUとして採用、スクリーンはフルHDの4.95インチ、リアカメラとフロントカメラはそれぞれ800万画素と130万画素、16GBの内蔵ストレージに、RAMは2GBとなっています。
上記のスペックだけ見れば、800ドル(96,000円)という価格は、やや高額にも思えますが、Sikurによれば今年中に15万台、来年には30万台は売れるだけのニーズを見込んでいるとのことです。
ターゲットとなるマーケットは、南米や中東など、現在もNSAの要監視対象となっている地域が並びます。
SNSやPlayストアにアクセスすることも出来ない仕様になっている政治家や重役向けのGT1と、それよりは「緩和された」GT2の2モデルが用意される模様です。一方で、これらのスマートフォンをテロリストが悪用する可能性も十分に考えられ、アメリカ政府は頭を抱えることになりそうです。
参照元:ZDNet、CNet
執 筆:kihachi
著者情報
iPhone Mania編集部
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