Touch IDに対抗、クォルコムのSense IDは超音波利用で材質問わず機能
アップルがiPhone5s以降搭載している指紋認証センサーTouch IDは、非常に良く出来た、信頼できる指紋認証システムです。今週スペインのバルセロナで開催されたMobile World Congressで、新たにTouch IDに対抗するQualcommの「Sense ID」と呼ばれる指紋認証システムが発表されました。
Sense IDはさまざまな素材に埋め込み可能
Samsungも今年4月に発売を予定しているフラッグシップモデルである、Galaxy S6とS6 Edgeに搭載する自社の指紋認証センサーを大幅に改善させています。しかし、今回発表されたQualcommのSense IDは金属、アルミニウム、プラスチック、ガラス、サァイアクリスタルなどに埋め込み、利用可能となっているのが大きな特徴です。
Sense IDの技術には大きな期待
SamsungやQualcommの指紋認証センサーがAppleのTouch IDよりも、更に正確で信頼がおけるのかどうかを判断するのは時期尚早ですが、元々専門的なバイオメトリクス認証アプリから派生したSense IDについては期待が高まります。
超音波を利用、Touch IDの弱点をクリア
QualcommのSense IDは超音波を利用することにより、皮膚の外側の層を透過し、従来の手法よりも更に洗練した方法で、指紋の3Dイメージを生成することが可能となっています。これにより皮膚にある汗の出る穴(汗口)や隆起までもマッピングすることができ、指が濡れていたり、汚れていたりしても認識が可能です。
また、前述したようにSense IDは金属、アルミニウム、プラスチック、ガラス、サァイアクリスタルなどで利用可能となっているため、スマートフォンやタブレットに利用されている材質のどの部分にでも埋め込むことが可能で、ディスプレイの後ろにさえ搭載が可能なのです。
モバイル機器での指紋認証がさらに普及
AppleがTouch IDにより指紋認証をモバイル端末に導入し、広く普及させたことで、今回のQualcommやSamsung、さらに富士通の虹彩認証など、他社の生体認証技術の開発が進むことになりました。今後、私たちユーザーは従来のパスワードやPINコードによる認証を使用しなくて済むようになることでしょう。
Sense IDは今年後半に登場
QualcommのSense IDは同社のSnapdragon 810と425の2つのチップに搭載され、今年後半にリリースされる予定となっています。今後、Sense IDに対抗しAppleはどのようにTouch IDをアップグレードしていくのでしょうか。
参照元 : Cult of Android
執 筆 : リンゴバックス