2015年1月26日 21時07分
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スマホに潰されました―米最大の機内通販、まさかの理由で破綻
SkyMallと聞いてピンと来る方は少ないかも知れません。しかし、飛行機に乗ったことがある方は、前面シートのポケットに商品カタログが置いてあるのをご存知だと思います。飛行機に搭乗するアメリカ人の88%が手にしたとされる、全米最大の機内通販企業が、なんとスマートフォンを原因として破産申請を行いました。
26万円の雪男はいかが?

SkyMallは声明で、経営破たんした理由を、「FAA(連邦航空局)が乗客の電子機器使用制限を緩めたため」としています。一見すると、SkyMallが何を言わんとしているのかよく分かりません。
しかし、機内でカタログを眺めたことのある方なら分かると思いますが、掲載されている商品を買いたいと思う人はどのくらい居るのでしょうか。ましてや、手元にノートパソコンやスマートフォンがあり、航空会社によっては機内でインターネットも利用できるご時世に、わざわざ2,250ドル(約26万5,500円)の雪男が売られているカタログを、真剣に眺め続ける人は、少ないのではないでしょうか。
機内で遊べるゲームも同様です。スマートフォンでいくらでも刺激的なゲームが楽しめるのに、わざわざ操作しにくいコントローラーで、テトリスやパックマンをやりたいとは思いません。
そして誰も読まなくなった

「俺はロボコップだ!」落書きされたSkyMallのカタログ。
デジタル系のニュースを紹介するサイト、Arstechnicaは、散々皮肉った挙句、「もし、あなたがハリーポッターファンなら、SkyMallは杖やカバーで保護された手裏剣を用意してくれただろう」と辛辣なコメントで締めています。
興味を持ってもらおうとニッチを攻めすぎた結果、余計に消費者から距離を置かれる結果となってしまったようですが、改めて商品ラインナップを眺めてみれば、買うかどうかはともかくとして、面白いコンテンツが詰まっていたと思います。

全自動式猫用トイレ。360ドル(約42,800円)

インラインスケート。100ドル(約11,800円)

「待つことなしに香りが漂う」ワイングラス。25ドル(約2,950円)

タブレット補助器。「リラックスして。倒れることはありません」と注釈に書かれている。60ドル(約7,080円)
参照元:Arstechnica、WSJ
執 筆:kihachi