2020年のコンピュータ環境を予想するMicrosoftのコンセプトビデオ
新しい技術やサービスは、それぞれの業界に導入され、顧客に利便性とより良いサービスに、つながっていくことになりますが、特に旅行や観光などに関わる業界では、いち早く新しい技術やサービスを導入することに積極的で選択肢も数多くあるようです。
ご承知の通り、技術の進歩のスピードは加速度的に速くなっています。例えば、固定回線の電話はアメリカの場合、普及率が5%から45%になるまでに45年掛かりました。これに対して、携帯電話の場合には同じ割合の場合、7年しか掛かっていません。さらに、スマートフォンの場合には、途中に景気後退などもありましたが約4年です。
ホテル業界では最新技術を積極的に導入
多くのホテルでは既に独自のモバイルアプリを提供していますし、以前ご紹介しましたがアプリがルームキーになるものもあります。また、宿泊客が自由に使えるようにiPadを客室に装備しているホテルもありますし、Google Glassをレンタルしているホテルもあります。ホテル業界では、新しい技術や製品をいち早く導入し、宿泊客へのサービス向上や差別化を図っているといえます。
本格的なユビキタスコンピューティングの時代へ
観光や旅行業界にビジネスソリューションを提供するTechnovation SolutionsのCEO(最高経営責任者)Peg McGregor氏は、今後観光や旅行の業界で大きな流れになるのは「ユビキタスコンピューティング(ubiquitous computing)」だと予想しています。
ユビキタスコンピューティングはパーベイシブ・コンピューティングとも呼ばれ、さまざまなコンピュータを、その用途に応じて実世界中において普遍的に用いるという概念です。つまり、どんな状況でも、いつでも、どんな端末でも、どこにいようともコンピューティングが可能になるというもので、1990年代はじめに考えられた概念です。
今ではデスクトップやラップトップはもちろん、スマートフォンやタブレットなどのモバイル端末、さらにウェアラブル端末でもコンピューティングが可能になっていますから、この概念がより現実のものとなってきたといえます。
ホテルルーム全体がコンピュータとして機能
McGregor氏は、新しい技術により例えばホテルの部屋の窓がホワイトボードに変わり、机の上でスケジュール調整ができ、部屋の壁に映されたテレビや映画が楽しめるようになるだろうと予想しています。
宿泊客はホテルの部屋にいても、自宅やオフィスと同じような環境を満喫できるようになり、ホテルは宿泊客が求める環境を提供できるようになるだろうを考えています。
アンビエント・インテリジェンスが実現
また、ユビキタスコンピューティングはアンビエント・インテリジェンス(ambient intelligence)という考えと、合わせて機能すると考えられています。アンビエント・インテリジェンス(環境知能)は人の毎日の生活を、ネットワークに接続している端末を意識することなく、サポートする環境を提供してくれます。
数年前にMicrosoftがユビキタスコンピューティングとアンビエント・インテリジェンスにより、2020年に私たちを取り巻く環境がどのように変わるのかというコンセプトビデオを公開しています。
アップルは来年、何を実現してくれるのか
このコンセプトビデオの内容が実現するのが2020年だとすれば、あと5年ほどで実現することになるのですが、仮にもう少し時間が掛かったとしてもこれに近いことは可能になる訳です。
2014年にはアップルのiPhoneもiPadも進化し、来年初めにはアップル初となるウエアラブルデバイスのApple Watchが登場します。また、さらに2015年には次期iPhone6sや新しいiPadも登場するでしょう。Microsoftのコンセプトビデオには将来アップルが提供してくれるユーザー体験のヒントがあるのではないでしょうか。
参照元 : Tnooz
執 筆 : リンゴバックス