Androidアプリ、個人情報に頻繁にアクセスしていた
Androidアプリが、ユーザーから得た許可を利用して、実際に個人情報にアクセスしていることが、フランスの研究者らの調査で明らかになりました。
追跡アプリでAndroidアプリを追跡
研究者らは、フランス国立情報自動制御研究所(INRIA)とフランスの情報処理および自由に関する国会委員会(CNIL)が、共同開発した監視アプリ「Mobilitics」をインストールしたAndroid携帯端末をボランティア10人に渡し、端末上のアプリの行動を追跡しました。
Mobiliticsは、アプリが端末の位置、ID情報、写真、メッセージなどの個人情報にアクセスすると、その情報を外部サーバに転送します。それらの情報はすべて記録・保存され、3カ月後に研究者らによって分析されました。
ボランティアは7月から9月にかけての調査期間中、自分の携帯として使用するよう指示されるとともに、121個のAndroidアプリを利用しました。
調査の結果、多くのアプリが個人情報にアクセスし、ユーザーを追跡していることがわかりました。こうした追跡を回避する数少ないオプションのひとつが、「Google設定」アプリで広告IDをリセットすることですが、アプリはほかの方法でもユーザーを追跡できるため、あまり意味はないそうです。
もっともアクセスが多いのは位置情報
3カ月の調査の結果、約3分の2のアプリが携帯のIDを特定する情報1つにアクセスしており、4分の1は最低2つ、6分の1は3つ以上にアクセスしていました。アプリはこうして収集したユーザープロファイルを積み重ね、広告に利用しているのです。
アプリがもっとも頻繁にアクセスしていたのは位置情報です。すべての個人情報アクセスの30%が位置情報へのアクセスでした。Facebookアプリは3カ月の間、ひとりのユーザーの位置情報を15万回も記録していました。これは平均で1分あたり1回以上に相当します。一方Google Play Storeは、あるユーザーをピーク時には1分あたり10回も追跡していました。また一部の携帯にはデフォルトでインストールされているあるアプリなど、1カ月に100万回もユーザーの位置情報にアクセスしていたことが判明しています。
あなたの行動はチェックされている!
INRIAによれば、アプリがユーザーのプロファイルを構築するのに、ほとんど許可はいりません。インターネットやWi-Fiへのアクセス許可さえあれば、携帯端末(つまり所持しているユーザー)の動きを逐一追跡することが可能とのことです。
しかもアプリの開発者がその気になれば、ユーザーがWi-Fiにアクセスした場所と時間の情報を使って、そのユーザーの行動範囲をマップ化することもできてしまうそうです。
CNILはアプリ開発者に対し、製品についてよりいっそう責任を持つことと、ユーザーがプライバシーを自ら管理できるツールを提供するよう呼びかけています。
参照元 : Infoworld
執 筆 : lunatic
iPhone Mania編集部
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