Apple、地図アプリ開発チームからの人材流出が深刻化
Appleはエンジニアの就職先としてトップクラスの人気を誇り、世界中から優秀な技術者を集める企業となっています。しかし一部では人材の流出が起こっていて各種開発プロジェクトに支障をきたしていると報じられています。
地図アプリ開発チームから流出
今回、Appleを離れたことが判明した人材は地図アプリ開発チームのシニアエンジニアリングマネージャーに就いていたBrad Moore氏です。地図アプリの開発で中心的なポジションにいた人物であり、iPhoneやiPad、Mac、さらにはApple Watch向けの地図アプリ開発を主導していました。
地図アプリ開発チームからの人材流出は今回が初めてではありません。今年7月には同じく地図アプリ開発チームのシニアエンジニアリングマネージャーであったChris Blumenberg氏もAppleを去っています。
ベテランエンジニアの転職先はUber
Brad Moore氏は2004年にインターンを経てAppleに入社し、10年間Appleで働いています。またChris Blumenberg氏も14年間Appleで働いたベテランエンジニアです。
彼らベテランエンジニアが人気企業Appleを去って、新たに就職したのが新興企業のUberでした。地図アプリと密接に関連したサービスを提供するUberは彼らの技術を存分に発揮できる場所に映ったのでしょう。
地図アプリ開発遅延より深刻な問題も
地図アプリはiOS6でAppleオリジナルのアプリとなりました。しかしその完成度は低く、多くのユーザーに批判されました。以降、地図アプリは開発チームによって徐々に改善されて現在に至っています。
また地図アプリ内で乗り換え案内やインドアマップのリリースも視野に入る段階になっています。このような時期に人材流出が起こってしまっていることで、アプリの改善や開発に遅れが生じると懸念されています。
ただ人材流出の根本的な原因はAppleにあるのかもしれません。iCloudの開発が遅れていると先日報じられましたが、その原因はAppleの組織体制に起因すると言われています。もしかするとAppleは組織が大きくなりすぎて、技術者が自由にアイディアをぶつけて、それを実現することが難しくなっているのかもしれません。
そうした状況で新興企業であるUberにAppleの人材が流出しているとすれば、人材流出は一つの現象に過ぎず、Apple内で深刻な問題が進行している可能性も考えられます。
参照元: 9to5Mac
執 筆: KAZ