iPhone6/6 Plus、本当はサファイアガラスが使われるはずだった
iPhone6/6 Plusは発売前、スクリーンにサファイアガラスを使うと噂されていましたが、実際には採用されず、噂に終わりました。しかし、アップルのサファイア製造パートナーで10月に倒産したGT Advanced Technologies社は、iPhone6/6Plus用のサファイアガラスを製造していたとウォール・ストリート・ジャーナルが報じています。
倒産したアップルのサファイア製造パートナー、iPhone6/6 Plusにサファイアを準備
iPhone6/6 Plusのスクリーンにサファイアガラスが採用される、との噂は多くの関係者の間でささやかれていました。海外のiPhone関連専門メディアによるiPhone6に関する噂の実現度予測では「サファイアガラス採用」の実現度は60%と、非常に高い強度を持つサファイアの採用を専門メディアの記者も期待していました。
iPhone6へのサファイア採用の根拠となっていたのが、アップルのサファイア製造パートナーだったGT Advanced Technologies社の存在でした。同社はアリゾナ州に専用工場を建設していましたが、今年10月に倒産してしまいました。
倒産に至った背景には、アップルからの厳しい要求と当初の計画変更があったと報じられています。経営が悪化していく中、GT社は安定しない品質に苦労しながらiPhone6/6 Plus用のサファイア製造に取り組んでいたとウォール・ストリート・ジャーナルが報じています。
製造に成功したサファイアはiPhone6/6 Plus用に加工されていた
ウォール・ストリート・ジャーナルの報道によると、GT社によるサファイア製造は、なかなか品質が安定せず、アップルの求める品質基準を満たすことができなかった模様です。
使い物になる品質のサファイアガラスの製造に成功すると、ダイアモンド製の刃を持つカッターでiPhone6とiPhone6 Plus用にサファイアガラスをカットしていたのですが、アップルの要求を満たすには歩留まり率があまりにも低かったと伝えられています。
また、せっかく製造に成功した数十万ドル(数千万円)相当のサファイアガラスの塊約500個が、手違いにより廃棄されてしまうなど、不運な事故も重なりました。結局、GT社がアップルに納品できたサファイアガラスは契約の10%と低迷したこともあり、同社は倒産への道を進んでしまいました。
倒産前には、仕事のない従業員たちが一日中掃除をしていたり、工場内でホッケーをして遊んでいたとのことです。
Apple Watchへのサファイア供給は問題なし?iPhone7は?
iPhone6/6Plusにサファイアガラスを使用していないとはいえ、アップルはiPhone5以降、Touch IDと背面カメラレンズのカバーにサファイアガラスを大量に使用しており、世界のサファイア使用量の約4分の1はアップルが使用している、とウォール・ストリート・ジャーナルは伝えています。
さらに、来年前半に発売予定のApple Watchシリーズ3モデルのうち、Apple WatchとApple Watch Editionにはサファイアが採用予定で、今後もアップルのサファイアガラス需要は高まると考えられます。
しかし、アップルはすでに韓国や中国のサプライヤーからのサファイアガラス購入を準備しており、今後のサファイア供給に問題は生じない、と報じられています。
来年以降に発表されるiPhone7ではサファイアガラスが採用されるのか、今後の動向に注目です。
参照元:The Wall Street Journal
執 筆:hato
iPhone Mania編集部
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