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2013年9月18日 16時40分

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嵐の前の静けさ?ソフトバンクが新iPhone 5s/5cで描く通信戦略

ソフトバンクはトリプルLTE戦略 
ソフトバンクは9月20日のiPhone 5siPhone 5cの発売時に、下り最大75Mbpsに対応する「倍速ダブルLTE」を導入することを発表しました。
 
ソフトバンク戦略 
ソフトバンクが提供している2GHzと1.7GHzでのLTEサービスを、5MHz幅ずつのものを10MHz幅にするようで、これにより、より快適な通信が可能になります。「通信負荷の高いエリアにおいて」ということで、都市圏からの導入になるでしょう。
 
ただしイー・モバイルについては、
ソフトバンク戦略 
としています。
 
ソフトバンクでは来年の夏に予定していたプラチナバンド、900MHz LTEサービスを2014年春に前倒しして開始するとしていて、「ダブルLTE」が「トリプルLTE」になると発表しています。今後の戦略についてソフトバンクモバイル取締役専務執行役・技術統括(CTO)の宮川潤一氏Engadgetに語っています。
 
宮川潤一(みやかわ・じゅんいち)氏 ( @miyakawa11 )
2006年11月ソフトバンクモバイル取締役専務執行役・技術副統括ネットワーク統括本部長(CTO)。07年6月ソフトバンクモバイル取締役専務執行役員兼CTO(現任)、ソフトバンクBB取締役専務執行役員(現任)、ソフトバンクテレコム取締役専務執行役員(現任)。2010年8月ウィルコム管財人代理(現任)、同年10月Wireless City Planning取締役COO(現任)、同年11月ウィルコム取締役(現任)

 

LTEを強化してNTTドコモ、auに対抗

11日のアップルの発表イベント後に、KDDI(au)の田中社長が「ネットワークで差別化を図る」と自信を持っていた(関連記事)ように、今回iPhone 5s/5cから国内3キャリア体制になることでiPhoneをとりまく競争はより激しくなると予想されています。4G LTEで差別化を図ろうとするKDDI(au)、料金面で差をつける戦略のNTTドコモ。ソフトバンクは対抗して、「倍速ダブルLTE」を準備しているようです。
 
ソフトバンク戦略

ソフトバンクモバイルのCTO、宮川潤一専務 ( 写真はEngadgetより )

 
11日に行われたアップルの発表イベントですが、KDDI(au)の田中社長、NTTドコモの加藤社長が参加していることは報じられましたが、会場にソフトバンクの孫社長の姿はありませんでした。そのことについて宮川専務は「今回、殿(孫氏)は行ってないです。そういう仕事は君らがやってくれ、俺は世界を見ていて忙しいと言うんですよ」と、孫社長の戦略ではiPhoneだけではなく、ほかにも視線を向けているようです。
 
ネットワーク戦略についてソフトバンクは、昨年のiPhone5発売時から少しずつ準備をしていたようです。iPhone5発売時は、ソフトバンクがもつ周波数帯は2GHz帯のみで、いわば1車線でした。その後イー・アクセスを買収し、同社の1.7GHz帯も使えるように。両周波数帯を利用して「ダブルLTE」化したのが今年の3月でしたが、通信速度で他キャリアと差があったようで、今後の戦略である「倍速ダブルLTE」では、その1車線ずつを倍にして4車線にしよう、という構想のようです。
 
ソフトバンク戦略 
4車線にすることで、下り37.5Mbps、5MHz幅のLTEを、10MHz幅使って75Mbpsに、高トラフィックエリアは2GHzと1.7GHz帯を全部10MHz幅にする-としており、その工事は現在進行形。今月19日には工事が完了し、来年春のサービス開始に向けて準備を進めているようです。
 

自信がある「パケット接続率」

ソフトバンクは”つながりやすさ”も重視。テレビCMでも謳っている通り、パケット接続率に関して自信があるようです。
 
ソフトバンク戦略 
このデータはソフトバンクのiPhone5とKDDI(au)のiPhone5(どちらも800MHz非対応)、KDDI(au)のスマートフォン(800MHz対応)の接続率を比べたもので、宮川専務は「確かに800MHz帯に対応したスマートフォンが速度も上がり、安定性も上がりますけど、今の我々が得ているデータでいくと、まだまだ追いつかれる要素はないんです。まだ1%ぐらいの差はあります。ソフトバンクがパケ詰まり(*1)させているなら別ですけど、今のところソフトバンクが1番のポジションから変わるとは思っていません」と述べています。
 
(*1) パケ詰まり:アンテナは立っているもののインターネットに接続できない状態で、携帯電話回線の基地局が混雑し”(データ通信が)つながらない、つながりにくい”状態を指します。
 
ソフトバンク戦略 
こちらはプラチナバンド対応スマートフォン(つまり各社のAndroid対応スマートフォン)全体のデータです。どれほどの違いがあるのか、「じゃあ本当にそんなに違いがわかるのかと言えば、正直よくわかりません。ただ、パケ詰まりの確率は我々の方が少ないと思っています。だから、パケ詰まりが解消されたら、正直、ほとんどみんな同じになっちゃうでしょうね」と宮川専務はコメントしており、実際にiPhone 5s/5cが発売され利用されるようになってから、どれぐらい変化するのかはまだ未知数ですね。
 
”パケ詰まりが解消されたらほとんどみんな同じになる”としていた宮川専務。その勝負の分かれ目は、ネットワークが倒れないこと、としています。iPhoneのトラフィックは予想以上に多いらしく、「同じ日本の通信会社だし、相手に倒れてもらうことがいいとは思っていません。ソフトバンクも苦労したし、auさんも苦労したしね」と語っていました。
 

「倍速ダブルLTE」「プラチナバンド」で「トリプルLTE」へ

KDDI(au)やNTTドコモもプラチナバンドに対応していますが、もちろんソフトバンクもiPhone 5s/5c発売に合わせて準備しているようです。宮川専務は「倍速ダブルLTEの次の一手は、トリプルLTEでプラチナバンド」として、充分な帯域を用意したものの、半年もすればまたいっぱいになってきて下降傾向になるのでは、と予測しているようです。その次の一手として、2014年春に前倒しして実装予定の900MHz帯のLTE、「プラチナバンド」を挙げています。
 
ソフトバンク戦略 
現在ソフトバンクが取得している900MHz帯は3G向けに提供されており、LTE向けは来年春に完了するとしています。それまで利用していたMCA無線の移行を進め、2014年3月31日に移行完了、同年7月より10MHz幅でLTEサービスを開始する計画でしたが、前倒しして同年4月からサービスを開始すると発表していました。(関連記事
 
来年春の開始に向けて本年度中に順次工事を進めていく方針で、宮川専務は「2GHzと1.7GHzで40MHz(各帯域で10MHz幅x2)、来春にはさらに20MHz(10MHz幅x2)を追加して、1.5倍のLTEの電波が出して、増えたトラフィックを吸収していくつもり。プラチナバンドは繋がりやすいので、発着信の接続率が上がります。3Gについては、8月末で2万7000局以上あります。2014年4月のサービス開始時には3万2000局にはなっているはずです。LTEの電波をそこで一気に吹くのは難しい状況で、徐々にやっていきます」としています。
 
電波に関しては、孫社長は「一気にやる」とよくコメントしていますが、宮川専務は「たとえば、この帯域で使われているものには、電車が駅に入ってくるのを確認している無線や、河川の水位の増減を確認する無線など、非常に大事なものがあります。相手があってのことだし、これは慎重にやらないといけません」と、LTE戦略を慎重に展開しようとしているようです。
 

今後の3キャリアの動向に注目

昨年からLTEの人口カバー率を重視して準備してきたKDDI(au)、今回からiPhoneに参入するNTTドコモ、そしてダブルLTE・プラチナバンドとLTEで何手も用意しているソフトバンク。iPhone 5siPhone 5cの発売まであと2日。各社の戦略は出揃いました。
 
もはや”携帯電話”の枠を超えて人々の生活に必須となったスマートフォン。サービス面でもそうですが、携帯電話とネットワークは切っても切れない関係です。実際にユーザーに端末が行き渡り、利用されはじめて、どのように変化していくのか。その動向に注目です。
 
参照元:Engadget
執 筆:あちゃ

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