文化財レベルの「Apple -1」がオークションに登場 評価額は6,900万円?
オークション運営会社「クリスティーズ」が12月11日にアメリカ現代文化の「象徴」をオークションにかけると発表しています。その「象徴」はAppleが法人化される前に製造、販売された「Apple-1」であり、最初の所有者の名前を冠して「The Ricketts’ Apple-1 Personal Computer」と名付けられているものです。
本体だけでなく付属品も文化財級
今回出品されたApple-1は1976年にRicketts氏に購入されたものであり、支払いに使われた小切手には「1976年7月、ロスアルトスのスティーブ・ジョブズ氏の両親のガレージから購入」と記されています。また購入後にも「1976年8月、ソフトウェア不良、スティーブ・ジョブズ氏によってプログラム済み」と記した小切手で支払いが行われており、本体と小切手はまさにAppleの誕生を伝える文化財的価値を持った品になっています。
本体と小切手に加えて、3人目の共同設立者ロン・ウェイ氏によるAppleのロゴに関する文書などが同時に出品されます。これらの品の評価額は最高で60万ドル(6,900万円)となっており、金額も文化財クラスになっています。なおロン・ウェイ氏はApple-1の売れ行きが悪く、プロジェクトへの参加の約束となっていた10%の配当権(現在の価値は数兆円)を放棄し、800ドルを受け取ってAppleを去っています。
Apple-1は完動品
さらに驚くべきこととして、出品されるApple-1は完動品となっています。専門家によって標準ソフトとスタートレックのゲームが使えたことが確認されています。
最近のパソコンは5年ほどで全く使えなくなってしまうことも珍しくないですが、38年前の骨董品のようなパソコンが起動するのも驚くべきことです。
Apple-1の利益がAppleの礎に
スティーブ・ジョブズとスティーブ・ウォズニアックはApple-1の製造販売で8,000ドルの利益を得て、さらなる飛躍のために投資を募ります。Apple-1の成功もあり、資金調達は成功して翌年にApple Computerが法人化されました。その後のAppleの発展は既知の通りです。
今回のオークション品はまさに草創期のAppleを象徴するものであり、アメリカ現代文化の「象徴」でもあることは間違いないでしょう。個人が購入するのか、どこかの博物館が購入するのか、それとも海外の富豪の手に渡るのか、オークションは多くの注目を集めそうです。
参照元: CHRISTIE’S
執 筆: KAZ
iPhone Mania編集部
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