ウォルマートがApple Payを導入しない理由とは
ウォルマートはAppleの新しい決済システムApple Payに対応しないことについて、なんとも歯切れの悪い説明をしています。
CurrentCを推進するMCX対Apple Pay
ウォルマートが、CurrentCという、別の決済システムを支援するコンソーシアム「Merchant Customer Exchange(MCX)」に加盟していることは、本メディアでもお伝えしました。同団体には7-ElevenやBest Buy、Targetといった大手小売店が加盟しており、MCX加盟店ではApple Payによる支払いは受け付けていません。
Business Insiderによると、iPhoneをかざし、指紋で確認するだけのApple Payと比べ、2015年に導入予定のCurrentCは、あまり使い勝手がよくないようです。利用客はまずCurrentCのアプリを開き、次いでカメラでQRコードをスキャンするか、もしくはアプリを開き、そこからQRコードを呼び出して、レジでスキャンする必要があるからです。
ウォルマートの説明
ウォルマートはApple Payを採用しない理由について、Business Insiderに対し次のように語っています。
「数多くの有力な技術が開発されていることは間違いなく、これはモバイルコマース業界全体にとってすばらしいことだ。最終的には、広く普及しており、安全で、消費者の最大利益を念頭に置いた支払いオプションを消費者が持てるということが重要だ。MCXのメンバーである小売店はすでに日々、アメリカの多くの人々に総合的なサービスを提供している。MCXのメンバーは、顧客の買い物と購入体験について深く考えているからこそ、モバイルソリューションを提供できる最良のポジションにあると信じている」
ウォルマートが本当に消費者の最大利益を考えているなら、すでに広く導入されているNFC機能装備のPOSで利用できる、Apple Payに対応してもいいはずです。
CurrentCの危険性
Chicago Sun-Timesの記者Andy Ihnatko氏はCurrentCについて、「CurrentCを使うと銀行口座への直接的なアクセスを認めることになるため、セキュリティ面で非常に危険」と指摘しています。
CurrentCでは小売店側が買い物データを収集できますが、そうした個人情報の安全性や利用方法については、消費者には明かされないことになります。
またCurrentCは銀行口座と直結しているため、Visa、Mastercard、Amexといったクレジットカードとは結びついていません。クレジットカード会社はクレジットカード決済の際に手数料の支払いを小売店側に求めていますが、CurrentCが開発されたのは、この手数料を回避するためとも言われています。
クレジットカード会社と提携、小売店には情報を渡さないApple Payと、クレジットカードとは袂を分かち、小売店の利益を守ろうとするCurrentC。今後の動向が注目されます。
参照元 : Business Insider、TUAW
執 筆 : lunatic
iPhone Mania編集部
iPhone Mania編集部です。iPhone、MacなどApple製品が大好きな国内外のライターが集まり、2013年から記事を執筆しています。Apple製品の最新情報から使い方、お役立ち情報まで、幅広くお伝えしていきます!
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