スマホのCPUやアプリ、64ビットにする効果は?MediaTekがテスト結果を公開

    64ビットの画像

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    スマートフォンに搭載されるCPUの命令セットは昔は32ビット長でしたが、最近では64ビット長対応のものが当たり前になっており、業界全体として64ビットへの完全移行を進めています。
     
    スマートフォンのCPUおよびアプリを64ビット対応化する効果についてMediaTekがテスト結果を公開しました。

    64ビット対応で起動速度が13.2%~63.5%向上

    MediaTekは同社のフラッグシップ システム・オン・チップ(SoC)であるDimensity 9000を使い、同じアプリを32ビットと64ビットでビルドした際の起動速度を比較しました。
     
    その結果、64ビットでビルドされたアプリは起動速度が13.2%から63.5%向上したとのことです。
     
    スマホアプリを32ビットでビルドした場合と64ビットでビルドした場合の起動時間の比較
     
    また、ゲームのフレームレートについても比較がおこなわれており、Unityエンジンを使った「Armies」の場合、64ビットでビルドしたほうがフレームレートが16%向上しました。
     
    ただ、Dimensity 9000が搭載しているCPUのうち、32ビットアプリに対応しているのは中速コアのCortex-A710のみで、高速コアのCortex-X2や低速コアのCortex-A510は32ビットアプリに対応していません。
     
    このため、今回の32ビットアプリと64ビットアプリの差分は、Cortex-X2とCortex-A710の速度差も含んでいると考えられます
     
    また、アプリの64ビット化はメリットだけでなく、メモリ消費量が増加するというデメリットもあります。

    業界全体で64ビットへの移行を目指すスマホ業界

    スマートフォン業界は業界全体として64ビット命令セットへの移行を目指しています
     
    たとえばGoogle Playは2019年8月からすべてのアプリで64ビット版を用意することを義務づけており、2021年8月からは64ビット対応CPU搭載端末から32ビットアプリのダウンロードができなくなりました。
     
    また、Armは2023年にリリースするスマートフォン向けCPUコアから32ビット命令セットのサポートを完全に廃止するとしています。
     
    iPhoneはiPhone 5sから64ビット命令長のCPUコアを搭載しており、iOS11から完全に64ビット化されました。
     
    ユーザーが意識することが少ない命令セットですが、知らない間に32ビットCPUやアプリは過去のものとなりそうです。

     
     
    Source: MediaTek/Weibo via Sparrows News
    (ハウザー)

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