アップル発表のiOS7 ~iPhone導入以来最大の変化~
iOSとはiPhoneシリーズに2007年から搭載されている、アップル社製のモバイル専用オペレーションシステムです。
同社は新OSでは初代iPhone以来となる大きなモデルチェンジを行ったとCEOティム・クック氏がiOS7を正式に発表した。これは10日(アメリカ時間)世界開発者協議(WWDC)の場での出来事で、アメリカのThe Vergeが詳細を伝えています。
iOS7では、スリムなフォント、アイコンがシャープでフラットに、新しいツーロック機能、それと画面下から上へスライドさせると表れる新しいコントロールパネルが明らかになりました。初期アプリもリニューアルされている中、天気アプリの出来栄えがyahooアプリを連想させるほど良く似ています。
新しいアイコンは新しい色のパレットを使用していて、大胆な原色を使用していた古いタイプとは異なり、淡いグラデーションカラーを基調としたとチーフデザイナーであるジョナサン・アイブ氏は語っています。iOS7では現代の色調とフラットなデザインが特徴でボタン、アプリを囲む線などに表れています。
アップルは、各アプリが画面において十分なスペースを使って表示できるように考えているようです。カレンダー、電話、メッセージ、ゲームセンター、その他すべてにおいて今までのスキュアモーフィックデザインを捨て、今改めて見直されているフラットデザインを採用しています。画面左上の電波バーもドットに置き換えられています。
新しい初期アプリは、スライドさせるジェスチャーベースのナビゲーションが可能になり、フォルダも今までの12~16個までの制限もなくなり、数百のアプリが入れられるようになります。通知センターも一度に多くの通知が表示される機能にリニューアルされています。ロック画面から通知センターを表示させる事ができて、その日の天気、予定、交通情報にいたるまで情報が一目でわかる様になります。
コントロールセンター
画面下から上へスワイプすると一般的に使用される機能に素早くアクセスする事ができます。コントロールセンターを使用すると、音楽の操作や機内モード、Wi-Fiやブルートゥース、LEDライト、画面明るさ調節など数多くの機能をコントロールでき、iPhoneユーザーが待ちに待った機能と言えます。
マルチタスク
マルチタスクは、限られたサービスまたは初期アプリだけではなくアプリ全てに対応するようにアップデートしています。また、バッテリーに影響を与えないようにアプリがバックグラウンドで更新するようにもなっています。このアップグラウンド更新では一日の間の特定の時間や強いワイヤレス環境下に居る時に更新され、よりスマートな機能となっています。
Safari
アップルのモバイルブラウザでもあるSafariは、フルスクリーンでブラウジングできるように改良され、ジェスチャーでのコントロール、それとiOSやアンドロイド用のGoogleChromeのインターフェイスとよく似たカードタイプのタブが特徴的で、よりみやすくなっています。アドレスバーと検索バーは共通となり検索はアドレスバーにて実行が可能となっています。パスワードやクレジット情報をデバイス間で同期出来る新しい機能(iCloud Keychain)に対応しています。
AirDrop
AirDropとは、コントロールセンターを介して他のiOSユーザーとコンテンツを共有することが出来るiOS7の新機能です。これにより親しい友人とコンテンツを共有して、その履歴もコントロールセンター内に表示されます。サムソンのグループプレイや他のプラットホームで採用されているタップベースのNFC共有への答えとなっています。この機能は、iPhone5、第5世代のiPodtouch、第4世代のiPod、iPod miniでの利用に限られています。
カメラと写真
カメラは改善されたユーザーインターフェイス、正方形写真へのフレーミング、新しいフォルダ管理で大きく改良されています。また他のアプリと同じようにフラットデザインを採用しています。写真アプリには新しいモーメント機能で、時間や場所ごとの写真を整理でき、年ごと撮影した写真をプレビューで見ることもできます。
また、ジェスチャー機能も持ち合わせていて画像をスライドさせるとポップアッププレビューとして現れ、静止画の作成や動画をiCloudで共有することも出来ます。
iOS7のSiriでもフラットデザインが採用され、新たな声として、男性から女性、女性から男性に切り替えられるようになりました。英語、ドイツ語、フランス語など言語も新しく追加されさらに今後も追加されていく予定です。ブルートゥースや画面の明るさ調整や、音声メッセージの再生を指示することも出来るようになっています。twitterやBing、ウィキペディアへの音声検索も可能になり正確な回答が出来るようになっています。
iCar機能
乗車時に使える機能が大幅に改善されています。2014年になると数多くの車のディスプレイでiOSが表示可能になる改良が予定されています、これに合わせてSiriで電話をかけたり、音楽再生、目的地へのアナウンスが可能になりました。
App Store
App Storeでは現在地を基にしたアプリ検索が可能になりました。例えば、博物館にいる場合、その関連したアプリが見つかります。またバックグラウンドでアプリの更新を行うようになりました。
iTunes Radio
今回最大の改善と言える機能が音楽プレイヤーです。まったく新しいユーザーインターフェイスとなっていて名前もiTunes Radioとなっています。Spotify、RDIOなど日本上陸前の音楽配信サービスなどにも対応しています。iTunes Radioでは、オンデマンドで曲を選択して曲名、アーティスト、アルバムやジャンルに基づいてラジオ局をキューレートする機能もあります。これはPandoraの機能ととても良く似ています。iTunes Radioは、iPhone、iPod touch、そしてPC上のiTunesにて動作します。
iOS7 その他の新機能
上記以外の新機能は、通知の動機がデバイス間で可能になり、Wi-Fi経由でFaceTimeの音声通話、より良いメール検索、通話機能の改善、FaceTime、メールアプリのメッセージ拒否設定などがあります。間違いなくiOS7では2007年のiOS導入依頼最大のモデルチェンジを行なっており、これから既存のモバイル用OSや最新のOSと比較されることになるだろうiOS。
きっとiOSが陳腐になったと不満や物足りなさを感じてしまう人は居るとは思いますが、iOS7はiPhoneユーザー等、何百万人が使用することになるプラットホームであることには変わりありません。10日、開発者向けのiOS7はiPhoneでbeta版をダウンロード可能になっていますが、一般ユーザーである我々は、今年秋の正式リリースを待つ必要があります。
ちなみにこのiOSは、iPhone4、iPhone4S、iPhone5、iPad2、第3世代以降のiPad、第5世代iPod touchで更新が可能となっています。
参照元:The Verge
執 筆:TOM
iPhone Mania編集部
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