欧州連合(EU)が、モバイル端末の充電ポートの共通化に向けて動き出していますが、もしUSB-Cコネクターの搭載が義務付けられた場合、iPhoneはどうなるのでしょうか?テックメディアTechRadarによれば、3つのシナリオが考えられるとのことです。
USB-Cコネクターへと切り替え
欧州で販売されるスマートフォンやそのほかの小型電子機器の充電機器の端子を、USB-Cに統一することを義務付ける法案がEUにより公表されました。Appleの対応策に注目が集まっていますが、1つ目のシナリオは、Apple製品の全面的なUSB-Cコネクターへの移行です。
EU向けにはUSB-Cコネクターを搭載し、それ以外の地域向けにはLightningの搭載を継続する、2種類のバージョンでのiPhoneリリースも当然考えられますが、生産コストが増加することから、一部の地域のために切り替えなければならないのなら、おそらく全地域分を切り替えることになるだろう、とTechRadarはコメントしています。
完全ワイヤレスへ移行
「iPhoneの端子をUSB-Cに切り替えることはなく、完全ワイヤレスへ移行する」というのがBloombergの名物記者マーク・ガーマン氏が予想する方向性です。
iPhone12シリーズから搭載されているMagSafeは、充電器の位置を合わせるのが簡単なので、他の多くの携帯電話のワイヤレス充電よりも優れています。
とはいっても、Appleのワイヤレス充電は、ライバル機種や有線充電と比べて、現時点では高速とは言えないので、完全ワイヤレスへ移行するなら、改善が望まれるところです。また、大容量のデータやファイルの転送時に有線は便利な方法であり、代替案が必要となるでしょう。
2つのポートを搭載
最後の選択肢は、iPhoneにUSB-CコネクターとLightningポートの両方を搭載することです。
AP通信によると、EUの内部市場委員のティエリー・ブルトン氏が、具体的にそのような提案をしており、「もしAppleが独自のプラグを持ち続けたいのであれば、彼らにはその能力があるでしょう」と述べています。
しかしながら、2つのポートを備えるのに必要なスペースや費用を考えると、魅力的な解決策とは言えないため、Appleがこの道に進む可能性は低いとされています。
Source:TechRadar
Photo:Raimond Spekking/Wikimedia Commons
(lexi)