韓国当局、ライバルOS台頭を妨害したとしてGoogleに190億円の罰金

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韓国の規制当局がGoogleに対し、AndroidのライバルOSの台頭を妨害したとして、2,074億ウォン(約194億円)の罰金を科したことが分かりました。

フォーク版のリリースを不当に規制

韓国の規制当局が問題としているのは、世界中のスマートフォンの80%以上がAndroidを搭載しており、それによって巨大な交渉力を持っているGoogleが他社を締め出しているのではないかということです。
 
韓国公正取引委員会は、GoogleはSamsungやLGといったスマートフォンメーカーと契約を結ぶ際に、彼らに対しフォーク版の使用を禁じる「フラグメンテーション防止協定(AFA)」の遵守を要求し、公平な競争を阻害したと指摘しています。
 
事実、Samsungは2013年にAndroidをカスタマイズしたOSを搭載したスマートウォッチを発売したものの、GoogleがAFA違反とみなしたことで、異なるOSに切り替えています。同委員会は、GoogleがメーカーにAFAを強制することを禁じ、フォークを自由に作成できるように既存の契約を修正するよう命じました。
 
一方でGoogleは、Androidが韓国企業も含めてイノベーションを大きく加速させ、ユーザーエクスペリエンスを向上させたと強調、今回の決定を「消費者が享受している利点を損なうものだ」とし不服を申し立てました。

テック企業に対する規制強まる

約194億円に上る今回の罰金額は、支配力を乱用し市場を不当にコントロールしたとするものでは、Qualcommに対する1兆3,000億ウォン(約1,200億円)に次ぐ規模となります。
 
しかも韓国の公取委は今回の件とは別に、Play Storeやアプリ内課金、広告市場に対する競争制限に関する3つの案件も捜査しており、Googleは一層厳しい立場に立たされることとなりそうです。
 
ちなみに韓国は近年、大手テック企業に対する監視を強めています。最近も有名議員が人気メッセージアプリ「Kakao Talk(カカオトーク)」を「強欲の象徴」と非難したことで大規模規制が警戒され、運営するKakaoが一時期160億ドル(1兆7,600億円)以上の市場価値を失ったばかりです。
 
 
Source:SCMP,Reuters
(kihachi)

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