TSMC、Apple向けにAシリーズプロセッサの出荷を開始
台湾TSMCがiOS端末向けに、次世代Aシリーズプロセッサの出荷を開始したと、Wall Street Journalが現地時間10日付けで報じました。
同紙は関係者の話として、TSMCは第2四半期に、20nmプロセスによるマイクロプロセッサの第1陣の出荷を始めたと伝えています。昨年末まではSamsungが、Aシリーズプロセッサを独占的に製造していました。
AppleとTSMCは来年以降、16nmプロセスによる次世代プロセッサについても共同開発することで合意している模様です。
AppleとTSMC、Win-Winの関係
TSMCとの提携により、Appleはプロセッサ製造をSamsungのみに依存する状況から脱却できるうえ、価格面での交渉がしやすくなります。一方TSMCは、Appleを顧客として持つことで、コストのかかる研究開発への投資面での支援が期待できると、WSJは分析しています。
業界アナリストらは、Appleによるマイクロプロセッサ発注が、TSMCの今年の売り上げの10%を占めることになると見ています。TSMCは2013年度、前年対比18%増の5,970億ニュー台湾ドル(約2兆596億円)の売上を計上しています。
Appleの「脱」Samsung
一方、iPhoneが初めて市場に登場した2007年以来、単独でマイクロプロセッサを供給してきたSamsungにとっては痛手です。同社は7月8日、2014年第2四半期(4月~6月期)の営業利益が、スマートフォンの売上鈍化により、前年同期比約25%減となるとの見通しを発表したばかりです。
AppleとSamsungは世界のスマホ市場では激しいシェア争いを展開しているものの、Appleはこれまで長年にわたり、ディスプレイ、メモリチップ、マイクロプロセッサなどの主要部品を、Samsungから購入してきました。
しかし2011年、SamsungがAppleのiPhoneおよびiPadのデザインをコピーしたとしてAppleが提訴。以降両社は特許侵害をめぐり世界中で法廷闘争を展開、AppleはSamsung以外のサプライヤーを検討し始めたようです。
Appleは現在、iPhoneのスクリーンをSamsungから調達しておらず、iPadのスクリーンの購入数を減らしているようです。また関係者筋の話として、メモリについてもSK Hynixや東芝から購入していると、WSJは報じています。
参照元: Wall Street Journal
執 筆: lunatic
iPhone Mania編集部
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