高セキュリティスマホの世界販売シェア、iPhoneが42%でトップ維持

Apple セキュリティ プライバシー
 
iPhoneには、指紋や顔のユーザー認証データを暗号化して安全に保存するSecure Enclaveが業界に先駆けて採用されています。Androidスマホにも同様のセキュリティチップが搭載されていますが、2019年の世界販売台数シェアではAppleがトップに立っています。

セキュリティチップ搭載スマホ、Appleがシェアトップ

調査会社Counterpoint Researchは、埋め込み式セキュリティチップを搭載したスマートフォンの世界販売台数シェアを公開しました。
 
埋め込み式セキュリティチップ搭載スマートフォンの販売台数は、2018年から2019年にかけて39%の伸びを記録し、出荷台数全体の89%を占めています。
 
メーカー別に販売シェアを見ると、2013年発売のiPhone5sから業界に先駆けて「Secure Enclave」を採用するAppleが2018年に60%、2019年に42%で、いずれもトップを獲得しています。
 
2位はHuaweiで、2018年に21%だったシェアが2019年には34%に伸びています。
 
3位は2019年のスマートフォン出荷台数ではトップのSamsungで、2018年は12%、2019年は13%とほぼ横ばいです。
 

 
2019年の販売台数をもとに、埋め込み式セキュリティチップのメーカー別シェアをみると、1位はApple、2位はHuaweiが採用するKirinプロセッサのHisilicon、3位がSnapdragonのQualcomm、4位がSamsungの7%と続いています。
 

 

重要性を増すセキュリティチップ

Counterpoint Researchのアナリスト、サチャジット・シンハ氏は、埋め込み式セキュリティチップの重要性について、以下のように語っています。
 

スマートフォンの普及に伴い、スマートフォンには銀行取引などの重要な情報が保存されるようになりました。
 
その結果、サイバーアタックによりユーザーが金銭的被害やプライバシー流出の被害に遭うリスクも上昇しています。スマートフォン業界は、端末のセキュリティ性能向上を優先事項にすべきです。

先陣を切ってSecure Enclaveを採用したiPhone

Touch IDもしくはFace IDを搭載したiPhoneシリーズには、「Secure Enclave」と呼ばれるアーキテクチャが採用されています。
 

 
Secure Enclaveは、ユーザー認証用の指紋や顔のデータを暗号化して保存しており、暗号化されたデータから指紋や顔のデータを入手することは不可能です。また、AppleのサーバーやiCloudなどの場所に保存されることもありません。
 
また、暗号化された指紋や顔のデータはSecure Enclaveだけが利用可能で、iOSや各種アプリがデータにアクセスすることもできません。そのため、仮にiPhoneがマルウェアに攻撃されても、指紋や顔のデータが盗まれることはありません。
 
 
Source:Counterpoint Research, Apple
Photo:Apple
(hato)

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