Apple対Samsung訴訟問題、Appleの本当の相手はGoogle?
米カリフォルニア州サンフランシスコで現地時間3月31日、特許をめぐるApple対Samsungの第2ラウンドともいうべき新たな裁判が始まりました。今回の裁判ではGoogleも関与する可能性があるとして、米メディアの注目が集まっています。
GoogleがSamsung側として証人台に立つ?
Samsungは、Appleが主張する5件の特許侵害のうち4件はAndroidの一般的な機能に関するもので、Googleの技術者がSamsung側として証言台に立つ可能性を示唆しています。もしそれが実現すれば、間接的なGoogle対Appleの戦いということになります。
2012年に判決が下った第1ラウンドの裁判では、SamsungがAppleのスマートフォンのデザインに関する特許(タブレットは含まれない)を侵害したというApple側の主張が認められました。しかし裁判が決着する前にSamsungはGalaxy S III以降のデザインを大幅に変更。結局AppleとしてはSamsungの製品を販売中止に追い込むことはできなかったのです。
特許侵害していたとされるモデルは旧式だったので、侵害が認められた時点ではもう売られていなかったというわけです。ただしSamsungには、9億3000万ドル(約940億円)という巨額な賠償金支払いが命じられました。
第2ラウンドはソフトウェア特許侵害
今回Appleが訴えているのは、スライドしてアンロックする方法、オートコンプリート、ユニバーサル検索といった、ソフトウェア機能に関する特許の侵害。Wall Street Journal紙によれば、同社は今回20億ドル(約2060億円)の賠償金支払いを求めているといいます。
ちなみにこの額は、最初の裁判でAppleが要求していた賠償金額よりも50万ドル(5150万円)安い額です。裁判での勝ち負けはともかく、この手の裁判で要求金額の全額支払いを命じられることはまずないですし、1分あたり約4,250万円もの売上を誇るSamsungも少々の(?)お金が出て行ったところで、たいしたダメージにはならないでしょう。
問題は賠償金ではない
専門家らは今回の裁判について、Appleが賠償金を問題にしているわけではないと見ています。ただしSamsungを媒介にしてGoogleを攻撃しようとしているなら、こちらも結構難しそうです。ソフトウェア機能を変更するのは、ハードウェアの設計を変えるよりも簡単だからです。
Appleの創業者である故スティーブ・ジョブス氏は、ウォルター・アイザックソン氏による自身の伝記のなかで
「Androidは抹殺する。盗みでできた製品だからだ」
とコメントしています。両社は世界中で熾烈な市場争いをしており、今回の訴訟がどのような判決を迎えるのか注目が集まります。
参照元:Time、New York Times
執 筆:lunatic
iPhone Mania編集部
iPhone Mania編集部です。iPhone、MacなどApple製品が大好きな国内外のライターが集まり、2013年から記事を執筆しています。Apple製品の最新情報から使い方、お役立ち情報まで、幅広くお伝えしていきます!
iPhone Mania編集部ライター: lunatic の記事一覧