ドイツの一部の学校において、MicrosoftのOffice 365の使用が禁じられました。プライバシー侵害の懸念があるため、というのが理由です。
個人情報が米国に流出する危険性を指摘
ドイツのヘッセン州のデータ保護・情報の自由委員会(HBDI)は、Officeの機能とクラウドサービスを組み合わせたMicrosoftのOffice 365を学校で利用すると、教師や生徒の個人情報が米国の政府機関などに流出する可能性があるとして、学校での使用を禁じると発表しました。The Next Webが報じています。
HBDIは、Windows 10とOffice 365は、昨年5月にスタートしたEU一般データ保護規則(GDPR)に準拠していないと主張しています。GDPRとは、個人情報の保護を目的とした規制であり、欧州連合(EU)を含む欧州経済領域(EEA)域内で取得した個人データを EEA 域外に移転することを原則禁止しています。
問題になっているのは、Officeアプリを使用した際にMicrosoftに送信される診断データです。たとえばメールのタイトル、Microsoftの翻訳ツールやスペルチェッカーを使用した箇所の文章なども、送信されています。
Google DocとAppleのiWorkも使用禁止に
以前のバージョンのOfficeの場合、これらの情報はドイツのデータセンターに保管されていました。しかしMicrosoftは2018年8月にこのデータセンターを閉鎖、以降データは米国のデータセンターに送信されています。
個人ユーザーについては、診断データを送信するかどうか、個々に同意を求める仕組みになっていますが、学校の場合、生徒に合意を求めることはできません。
Google DocとAppleのiWorkについても、クラウドデータがどこで保管されているのかが不透明との指摘があり、HBDIはOffice同様、学校での使用禁止を求めています。
Source:The Next Web via 9to5Mac
Photo:Microsoft
(lunatic)