これがAppleデザインの生みの親、アイヴ氏の愛車たちだ!
Appleのデザイン担当上級副社長であるジョナサン・アイヴ氏の愛車遍歴をCult of Macが公開しています。
iPhoneやMacなどのApple製品のデザイン責任者である同氏は、若い頃には自動車デザイナーに関心を持ち、大学で工業デザインを専攻したクルマ好きでもあります。アイヴ氏の乗ったクルマから、Appleのデザインの秘密が読み取れるかもしれません。
英国王室からサーの称号を受けた、世界に影響を与えるデザイナー
ジョナサン・アイヴ氏(1967年イギリス生まれ)は、1992年にAppleに入社し、ジョブズ氏がAppleに復帰した1997年からデザイン最高責任者を務めています。先日、米Appleのサイトで役員一覧から同氏が消えた時は世界中のアップル関連メディアが「アイヴが退任か!?」「Appleのデザインはどうなる?」と騒然としました。
同氏は工業デザイン界に与えた功績を称えて数々の賞を受賞しているほか、イギリス女王から「サー」の名誉ある称号を授与されています。昨年11月には、同氏を取り上げた書籍「Jony Ive: The Genius Behind Apple’s Greatest Products」も刊行されています。
現在、世界で最も影響力の大きい工業デザイナーの一人であり、大のクルマ好きのアイヴ氏が辿った愛車遍歴を見てみましょう。
オレンジのフィアット500
80年代前半のアイヴ氏は、黒い長髪をなびかせながら運転して通学していたそうです。当時の愛車が、イタリア・フィアットの可愛らしいコンパクトカーでした。同氏が所有した中で唯一、イギリス車以外のクルマです。
アニメ「ルパン三世」でルパンの愛車として登場することでも知られていますね。
「カニ目」のオースチン・ヒーリー・スプライト
ティーンエイジャーのうちからクルマ好きだったアイヴ氏は、父親と一緒に愛嬌のあるヴィンテージカーをレストアして愛車としました。ボンネットの上に乗った丸いヘッドライトは、イギリスでは「カニ目」、日本では「カニ目」、アメリカでは「虫の目」の愛称で呼ばれています。
アストンマーチンDB9
映画「007」に登場したボンドカーとして有名なスーパーカーを購入したアイヴ氏は、ニューヨークに到着した愛車で、西海岸まで父親とのドライブを楽しんだそうです。
25万ドル(現在のレートで約2,500万円)の高級車との付き合いは短く、購入1か月後、サンフランシスコ郊外サンブルーノのハイウェイ、I-280での大事故で廃車にしてしまいます。80マイル(約128キロ)弱で飛ばしていた愛車は、原形をとどめないほどに壊れ、アイヴ氏と同乗者はエアバッグに助けられました。
死んでいても不思議ではなかった大事故により、Appleは彼の重要さを認識し、大幅な昇給のきっかけになりました。
アストンマーチン・ヴァンキッシュ
大事故の後も、アイヴ氏は速くて格好いいクルマを求め、再びDB9を購入しました。しかし、2代目のDB9はガレージの外で炎上し、骨組みになってしまいました。彼がアストンマーチンに苦情を述べると、アストンマーチンはV12エンジンを積んだ30万ドル(約3,000万円)のフラッグシップモデル「ヴァンキッシュ」(2004~2005年モデル)の割引を申し出ました。
アストンマーチンは、パワフルな速さだけでなく、斬新な製造手法でも知られます。製造は職人の手作業で、軽量なアルミニウム、マグネシウム、カーボンファイバーなどの素材を多用しており、オールアルミニウム製シャシーは、溶接でなく接着されることで非常に高い強度を誇ります。アイヴ氏はその後、Appleの製造現場に同様の製造手法を導入しています。
白のベントレー・ブルックランズ
アイヴ氏は、ヴァンキッシュの次は英国が世界に誇る高級車、ベントレーに乗り換えます。ブルックランズは、クラシックなルックスを持ち快適性を追求したモデルですが、6.75リットルのロールス・ロイス製エンジンは500馬力の出力で最高速度は296キロ、5秒で時速100キロに達する性能を誇ります。
ランドローバー・ディスカバリーLR3
Appleの有力者となったアイヴ氏にとって、思いつきで高級SUVを買うことは容易なことでした。デザインスタジオの同僚が買ったランドローバーを見たアイヴ氏は、同じ車を数日のうちに買っていたそうです。
黒のベントレー・ブルックランズ
アイヴ氏のガレージには、黒のベントレーがおさまりました。職人の手作業により皮と木をふんだんにあしらったインテリアの高級車は、16万ドル(約1600万円)と価格もパワフルです。
アイヴさん、テスラはどうですか?
パワフルで美しい車を愛するアイヴ氏の好みは、高性能で美しいデザインのApple製品に反映されていると見て良さそうです。誇り高き英国人のアイヴ氏は英国車を乗り継いでいますが、Appleが買収すると噂されるシリコンバレーの電気自動車メーカー、テスラにも興味を持っているのではないでしょうか。
アイヴ氏には今後もカッコイイクルマを乗り回し、世界を魅了するデザインを生み出してほしいものです。
参照元:Cult of Mac
執 筆:hato
iPhone Mania編集部
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