Apple、Teslaからの人材引き抜き攻勢強めるー好条件魅力か

tesla イーロン・マスク
 
自動車企業Teslaに携わる従業員の引き抜き攻勢を、Appleが一層強めています。背景には主に「Project Titan」と呼ばれるAppleの自動運転プロジェクトが関係していると考えられるものの、自動車部門以外での雇用も行われているようです。

分かっているだけでも46名

CNBCによると、2018年だけでTeslaからAppleへ46名もの転職があったそうです。しかもこの数字は、LinkedInで転職が確認できた人物のみです。
 
もちろん、全員がAppleによって直接引き抜かれたわけではなく、何らかの理由で離職した後にAppleへ就職を決めたというケースもあるようですが、Appleが元Teslaの人員を喉から手が出るほど欲しがっていることは疑いようがありません。
 
事情通によると、概ねTeslaにいた時分よりも好条件で迎え入れられるパターンが多いようです。
 
Appleは現在、「Project Titian」と呼ばれる自動運転システムの開発を行っていると噂されており、同じく自動運転車開発を進めるTeslaの人員を優先的に確保するのは、自然な成り行きと言えるでしょう。
 
事実、Appleによって確保された人員は、Teslaでオートパイロットや品質保証、駆動装置、メカニカルデザイン、ファームウェアエンジニアといった部門に携わっていた人物が中心です。

製造過程そのもののコントロールにも人材を重用

しかし、人材の確保は自動運転車のためだけというわけでもないようです。
 
CNBCの調査では、ソフトウェアやディスプレイ、光学レンズ、バッテリーといった、自動運転車には関係なさそうな人材もTeslaから引き抜いていることが分かっています。
 
こうした傾向について、Teslaのエンジニアは、Appleが今まで以上に製造プロセスや設備のコントロールを厳格に行おうとしているのではないか、とCNBCに対して話しています。

マスクCEOは何を思う

もちろん、こうした事態についてTeslaが黙認しているはずもなく、Teslaはスポークスマンを通して

上手くいくことを願っています。Teslaは険しい道のりです。我々はAppleの100分の1ほどの資金しかないのですから、彼らが我々より多く支払えるのは当然です。我々は今、100倍超の車両を昨年生産する旧来の自動車会社に対し、とてつもなく困難な戦いを挑んでいる最中なのです。ですから、非常に困難な仕事なのも当然というわけです。

という、当てこすりのようなメッセージを発表しています。
 
かつて、Appleのことを「Teslaの人材の墓場」と呼んで憚らなかったイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)は、従業員たちが自主的にTeslaを辞職してAppleへと移っていく現状を目の当たりにして、一体何を思うのでしょうか。
 
 
Source:CNBC,AppleInsider
(kihachi)

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