iPhoneにも搭載か?充電も光通信もできるディスプレイ

写真出典:Digital Trends
ディスプレイで充電もデータ通信もできるスマホが来年にも登場します。フランスのベンチャー企業が、スマホの画面でソーラー充電と超高速通信を実現する技術を開発しました。アップルのソーラー技術への関心の高さから、将来のiPhoneにも搭載される可能性も考えられます。
ディスプレイが光を浴びて勝手に充電!
フランスのベンチャー企業SunPartner社が開発したWysipsは、スマホや時計、タブレット等の小型ディスプレイに組み込み可能な、透明なガラスのパネルです。透過性は90%とほぼ完全に透明で、スマホやタブレットの操作性も犠牲になりません。
Wysipsは、太陽光だけでなく室内の人工光でも発電し、スマホを充電することができます。光の当たるところにスマホを1日置いておくだけで、バッテリー容量の15%程度を充電可能で、今後、発電能力をさらに向上させるとのことです。

写真出典:SunPartner
スマホが待機中でも、常にネットワークの電波を探してバッテリーを消耗している分はカバーできると見られており、バッテリー切れの心配を格段に軽減できます。また、災害時による長期停電があっても光があれば充電可能です。
デジタル機器情報サイトDigital Trendsによると、記者が操作したHuawei製スマホのデモ機では、画面を間近で見るとソーラーパネルの縞が見える程度で、Wysipsが組み込まれていると全く気付かない透明感と操作性だったとのことです。
以下は、Wysipsの紹介動画です。
最近では、持ち歩くだけで充電可能なモバイルバッテリーも登場していますが、Wysips搭載スマホなら、スマホ本体だけで充電が可能です。SunPartner社では、Wysipsを自動車や建物のガラスに使う研究も進めており、技術活用の幅は広そうです。
LED光で10.5Gbpsの超高速通信も可能!
Wysipsは、Li-Fiと呼ばれる可視光通信(VLC; Visible Light Communication)にも対応しています。Li-Fiは、高速で点滅可能なLEDの特性を活用し、光の点滅により高速で通信する技術です。電波を使うWi-FiやBluetoothと違い「盗聴」の心配がなく安全な通信が可能です。

写真出典:Wikipedia
光の3原色であるRGB(赤・緑・青)の各色で3.5Gbpsの通信速度を出せるため、3色合わせて10.5Gbpsと、最近正式に認可された新無線LAN規格「IEEE 802.11ac」の6.93Gbpsよりも高速で通信が可能です。
一般家庭に無線LANルータが不要になるには時間がかかると見られますが、小売店で発券機にスマホをかざしてクーポンを発券するといった用途が想定されています。
スマホ1台分2~3ドルの低コストで実現可能。期待により資金調達も順調
Wysipsはコスト面でも優秀で、スマホ1台分のコストは2~3ドル以下で、コスト高になりがちな最先端技術にしては破格のローコストで商品化が可能です。
SunPartner社によると、同社は昨年末までに310万ユーロ(約43億3,500万円、2014年1月24日のレート:1ユーロ=139.84円で換算)の資金調達にも成功していることから、Wysipsの将来性に期待が高まっていることがわかります。
ソーラー技術に熱心なアップルが採用か?!

Appleのソーラー特許
アップルは昨年、ポータブル機器へのソーラー搭載に関する特許を取得しており、iPhone等にソーラー充電技術を搭載する研究を進めているのは確実と見られます。また、アップルがデータセンター等の消費電力を太陽光でまかなうなど、ソーラー技術を積極的に活用しています。ソーラー技術に関心の高いアップルがWysipsを採用する可能性も考えられます。
Digital Trendsでは、HuaweiがWysipsを搭載した製品を商品化する最初のメーカーになるだろうと推測していますが、ぜひ、iPhoneにWysipsを搭載して欲しいですね。
参照元:Digital Trends、SunPartner
執 筆:hato
iPhone Mania編集部
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