2014年電子決済業界の10大予測で「NFCの死」が1位に選ばれる
おサイフケータイや交通系の電子マネーなど、日本ではすっかりおなじみのNFC技術ですが、Business Insiderが発表した2014年の電子決済業界の10大予測の1位に「NFCの死」が選ばれています。
2014年にNFCは消滅する?
NFC(Near field communication)とは、日本語だと近距離無線通信といいます。日本ではFelicaによるおサイフケータイや交通系の電子マネーなどでおなじみの技術ですが、世界的では国際規格であるType A/Bと呼ばれる方式が主流となっています。
Android端末ではバージョン2.3からこのType A/Bがサポートされており、既に実用化されています。一方でiPhoneには現時点では採用されておらず、いつ搭載されるのか期待されているというのが現在の状況でした。
そんな中、NFCが死ぬと予測されている理由としては、端末でタッチして支払うという行為がクレジットカードや現金で支払うことに比べてそれほど大きなメリットがないからというものでした。
NFCの代わりにBluetooth LEが小売業界を圧巻する?
NFCの死を予測する一方で、2位に挙げているのはBluetooth LEが小売業界を圧巻するという内容。
Bluetooth LEのLEとは、Low Energy(省電力)の略で、常時起動していても電池の消費は少なくて済むという特徴があります。iOS 7から提供された新機能の中にiBeaconと呼ばれるものがありますが、これもBluetooth LEを利用して近接通信を行うことができる機能になります。
何かを行うときにいちいち端末を取り出す必要のあるNFCに対し、Bluetooth LEを利用することで端末を取り出すことなくチェックインをしたり、クーポンをもらえたりといったことが可能です。
世界最大手の電子決済企業であるPayPalの社長であるデイヴィッド・マーカス氏はNFCに対して批判的な立場であることで有名ですが、PayPalでもBluetooth LEを利用した決済システム「PayPal Beacon」を発表しています。
これは店舗に入るだけで自動的に決済ができるという仕組みで、Bluetooh 4.0を搭載したiOSまたはAndroid端末で利用することが可能です。常時起動ができるBluetooth LEのおかげで、客はアプリを起動することなくハンズフリーで支払いをすることができます。
これまでは新しいiPhoneの噂が出る度にNFCの搭載が予想されており、当サイトでも、ホームボタンに搭載されるのではないかという情報や、iTunesストアで購入したコンテンツの受け渡しへの活用が考えられているのではという情報をお伝えしてきました。しかし最近の動向を見る限りではこのままiPhoneにNFCが搭載されない可能性もあるのかもしれません。
参照元:Business Insider
執 筆:TOM