英Imagination Technologies、中国政府関連ファンドに買収される

Imagination Technologies


 
iPhoneにグラフィック機能(GPU)を長年提供していた英Imagination Technologiesが、中国政府を後ろ盾とする非公開会社のCanyon Bridgeにより買収されました。最も大きな取引先であったAppleが、GPUの内製を発表してからわずか6ヶ月未満のことでした。

iPhone4からiPhone7 Plusまでを支えたPowerVR

Imagination TechnologiesのグラフィックチップシリーズPowerVRは、iPhone4に搭載されたApple A4から、iPhone7 Plusに組み込まれたApple A10 Fusionまで、近代iPhoneモデルのすべてのSoC(システム・オン・チップ)に使用されてきました。
 
しかしながら、2017年4月、AppleによるGPUの内製化が発表されると、Imagination Technologiesの株価は60%下落し、たちまち破産寸前に追い込まれることになります。
 
Imagination Technologiesは、6月に全社売却を発表してから3ヶ月後、5億5,000万英ポンド(約833億円)でCanyon Bridgeにより買収されました。

米国で半導体メーカーの買収を止められたCanyon Bridge

中国政府関連ファンドのYitai Capitalがバックについているとされる非公開会社Canyon Bridgeは、9月13日、米半導体メーカーのLattice Semiconductorを買収しようとしたところ、トランプ大統領の大統領令により直々に中止させられたことで話題になりました。
 
トランプ大統領は、安全保障の観点から、軍事利用の可能性がある技術が絡んでいるとして、発令に踏み切った模様です。
 
Canyon Bridgeのレイ・ビンガム氏は、「買収は、Imagination Technologiesのグローバルマーケットへの展開を約束するものである」とコメントしています。
 
 
Source:Financial Times
Photo:Imagination Technologies
(lexi)

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