著名アナリストが、9月12日に発表される新iPhoneは、いわゆる売れ行きの「スーパーサイクル」を生み、現在不調の中国市場でも売れると予測しています。
ウォール街は中国市場をわかっていない!
モルガン・スタンレーのアナリストで、Apple情報に詳しいケイティ・ハバティ氏が、ウォール街の平均的なApple株価予想よりも14%も高い183ドルという予想を打ち出しています。
同時にハバティ氏は、ウォール街は中国市場を根本的に見誤っていると述べています。2018年度のiPhone売上について、ウォール街が前年対比13%増と予想しているの対し、同氏は23%増と予測しており、この伸びを支えるのは中国市場だとしています。
中国消費者はiPhoneの変化を待っていた
中国市場において、Mac売上は2桁増、iPadも2桁増、サービスも2桁増にも関わらず、iPhoneだけは伸びていません。ハバティ氏は、
中国の消費者が自宅で使うMacに2,000ドル以上払うのに、安いスマートフォンを持ち歩くというのはありえない。
とし、中国の消費者がiPhoneを買わなかったのは、3年間デザインや見た目がほとんど変わっていないから、と分析しています。中国ユーザーは変化を待っていた、というのです。
またハバティ氏は、ウォール街が出荷台数のデータのみで判断しているのも問題だと指摘します。出荷台数をカウントする場合、メーカーから出荷された段階で数えられるので、そのスマートフォンが実際に購入されたかどうかはわからないと同氏は主張します。
さらに中国ブランドのスマホは品質が低いためiPhoneほど長持ちせず、買い替えサイクルがiPhoneの2〜3年よりも短い18ヵ月であるのも、中国ブランドスマホの売上増に貢献しているようです。
中国ベンダーは長期的な力を身に着けていない
近年市場シェアを拡大している中国ベンダーについては、
中国では2、3年おきに新たなスターが現れて、急激な成長を記録し、出荷台数を倍増させ、市場シェアを拡大するものの、それから1〜2年で衰退、また別のベンダーが台頭するという流れがある。
これまでのところ、これら地元ブランドのなかに、長期に渡ってその地位を維持する力を持った企業は登場していない。Vivo、Oppo、Xiaomi、Huaweiのなかでは、Huaweiがもっとも長期的な力を持っているが、成長率ではVivoやLenovoに負けている。
と述べています。
ハバティ氏の見方が正しければ、中国市場におけるiPhone売上は、iPhone8発売によって久々に上向きとなることになります。
Source:Business Insider
Photo:Martin Hajek
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