「写真の保存どうしてる?」と聞かれたら、筆者は迷わず「iCloud」と答えます。iCloud+の200GBプランを契約当時は月額450円(現在は540円)で契約しており、写真やメモをiCloud管理しています。
一方でGoogleフォトは利用経験がなく、iCloudだけで写真管理を完結している状況です。しかし今回、Googleフォトを試してみたことで、AI検索などiCloudと異なる魅力を発見しました。
長年iCloudを利用した筆者が、Googleフォトも試した体験をもとに両サービスを比較します。
2つのサービスは何が違うのか
iCloudとGoogleフォトは設計思想が根本的に異なります。
iCloudは「同期型」のサービスです。iPhoneの写真アプリをそのままクラウドにミラーリングする仕組みで、iPhone・iPad・MacなどすべてのApple製品間でライブラリが常に同じ状態に保たれます。
端末から写真を削除するとクラウドからも消える点には注意が必要ですが、機種変更時に以前とまったく同じ状態に復元できる「復元性」の高さが、iCloudならではの魅力といえるでしょう。
一方Googleフォトを実際に使ってみると、「バックアップ型」のサービスである点がiCloudとの大きな違いでした。端末の写真アプリとは独立して動作するため、バックアップした写真は、端末の容量を節約するために削除することも可能です。
実際に試した範囲では、AIを活用した検索・整理機能が大きな特徴だと感じました。
| 項目 | iCloud | Googleフォト |
|---|---|---|
| タイプ | 同期型 | バックアップ型 |
| 対応端末 | Apple製品のみ | iOS・Android・Windows |
| 端末削除後 | 同期のためクラウドにも反映 | バックアップ後は端末容量を節約可能 |
| AI検索 | 人物・被写体検索に対応 | AIを活用した検索・整理機能が特徴 |
| 無料容量 | 5GB | 15GB※ |
| Apple製品連携 | シームレス | 限定的 |
※15GBはGmail・Google Driveと共有
つまりiCloudは「Appleエコシステムの中でシームレスに使う」、Googleフォトは「端末を選ばず写真を管理する」という違いがあります。筆者はiPhoneしか使わないため、「Appleエコシステムの中でシームレスに使う」iCloudが自然な選択でした。
Googleフォトの存在を知らずに使い続けてきたのも、iCloudがiPhoneに深く組み込まれているからこそかもしれません。
iCloudを使い続けている理由
筆者がiCloudを使い続けている理由は明快で、iPhoneしか使わないからです。iPhone6からiPhone14、そして現在のiPhone15 Proまで、スマートフォンはずっとiPhoneを使用しています。
機種変更のたびにiCloudバックアップから復元してきましたが、写真はもちろん、アプリの配置や設定まで以前の状態に戻るのには毎回感動します。
iPhone14からiPhone15 Proに変えた際、バックアップがうまくいかずにAppleの電話サポートに連絡したところ、担当者が丁寧に対応してくれてスムーズに解決できました。この体験を経て、Appleへの信頼感はさらに深まっています。
現在は200GBプランを月額540円で利用していますが、使用量は65GB程度です。写真・メモ・メール・各種アプリデータを含めてこの容量に収まっており、コスパの面では申し分ない水準だと感じています。
写真を振り返る体験がiCloudにはある
筆者はあまり写真を見返すタイプではありませんが、機種変更のタイミングで昔の写真が目に入ると、思わず手が止まります。iCloudの写真管理では、撮影した年月日から過去の写真を探せるため、「あの頃の写真」を振り返りたい時に助かっています。
写真を見返すときは「あのくらいの時期だよな」という感覚で記憶していることが多く、年月日検索との相性がいいのです。思い出は人間にとって最大の財産だと考えています。
その財産をいつでも取り出せる安心感こそ、iCloudに月額540円を払い続ける理由の一つかもしれません。
一方で、今回初めて使ったGoogleフォトでは、iCloudとは異なる写真管理の便利さも実感しました。
Googleフォトを試して感じたiCloudとの違い
23,354枚の写真バックアップには4日かかった
これまでiCloudだけで写真を管理してきましたが、今回の記事執筆をきっかけに、初めてGoogleフォトを試してみました。iPhone6の時代から保存し続けてきた写真は23,354枚、動画71本。この量をGoogleフォトへバックアップするまでに約4日かかりました。
移行を検討している人は、写真が多いほど時間がかかる点を事前に把握しておくことをおすすめします。
なお、バックアップ開始から4日目、完了まで残りわずかな状態で、充電しながらWi-Fi環境でGoogleフォトのアプリを開いたままにしたところ、約30分で完了しました。ただし、その間iPhone本体はかなり発熱し、一時的に動作が重くなった印象です。
AI検索の精度には正直驚いた
バックアップ完了後、まず試したのが検索機能です。iCloudの年月日検索に慣れていたため期待値は高くありませんでしたが、実際に使ってみると予想を超える精度でした。
特に驚いたのが人物検索です。2015年頃から写真を保存していますが、当時は裸眼、2020年頃からメガネをかけています。
見た目が大きく変わっているにもかかわらず、同一人物として認識して写真を表示してくれました。数年前の写真でも人物を正確に把握できる点には驚きを隠せません。
場所検索も実用的で、過去に旅行したエリアを入力すると、実際にそこで撮影した写真が正確に表示されました。
そして一番「そんな検索できるの?」と思ったのが文章検索です。「入院」と入力すると急性アルコール中毒で入院したときの写真が出てきました。「サウナ」と入力すると施設の写真だけでなく、チャット内でサウナについて触れたワードまで反映されます。
キーワードで記憶を掘り起こせる感覚は、これまで使ってきたiCloudとは異なる体験でした。特に過去の写真が多い人ほど、「探す時間を減らせる」というメリットを感じやすい機能だと思います。
iCloudユーザーでもGoogleフォトに魅力を感じた
iCloudの年月日検索は、「あのくらいの時期だったな」という感覚で探すには十分でした。しかしGoogleフォトは、AIによってキーワードから写真を探し出せる点で、異なる検索体験がありました。
23,354枚という写真の量になると、時期の記憶が曖昧な写真も多くあります。そうした写真をキーワード一つで引き出せるのは、写真枚数が多い人ほど便利に感じるはずです。
一方で、iPhoneとの連携や機種変更時の復元性については、長年使ってきたiCloudならではの安心感があります。
Googleフォトが向いているのはどんな人か
Googleフォトを実際に使ってみると、iCloudとは異なる強みが見えてきました。
Androidユーザーを含む環境で写真を管理したい人
iCloudはApple製品との連携が中心のため、Androidユーザーを含む環境で写真を管理したい場合は、Googleフォトの方が使いやすい場面があります。
AIを使った写真検索を重視する人
iCloudの年月日検索に慣れていた筆者ですが、Googleフォトでは「人物」「場所」「シーン」といった条件で写真を探せる点に便利さを感じました。特に写真の枚数が多い人ほど、AI検索の恩恵は大きいでしょう。
無料容量を重視する人
筆者はiCloud+を月額540円で契約しており、課金を「必要な投資」と割り切っています。Googleフォトの15GB無料枠は、写真管理に費用をかけたくない人にとって魅力的な選択肢になるでしょう。
iCloudの無料枠は5GBと少なく、写真や動画を多く保存している場合、容量不足の通知が届きやすくなります。ただし15GBはGmailやGoogle Driveと共有のため、実際に写真に使える容量は状況によって変わる点には注意が必要です。
日本のiPhoneユーザーにはiCloudが現実的な選択
料金面では以下の通りです。iCloudとGoogle Oneは概ね同水準ですが、大容量になるほどGoogle Oneがやや安価になる傾向があります。
| プラン | iCloud+ | Google One |
|---|---|---|
| 小容量※1 | 50GB:180円/月 | 100GB:290円/月 |
| 中容量 | 200GB:540円/月 | 200GB:440円/月 |
| 大容量 | 2TB:1,800円/月 | 2TB:1,450円/月※2 |
※1 ストレージ容量が異なります。
※2 Google Oneのプラン選択画面では、「Google AI Plus」という名称で提供されており、Geminiなどの特典が含まれます。
Apple製品を中心に利用しているiPhoneユーザーにとっては、Googleフォトへ積極的に移行する理由を感じにくいケースもあるでしょう。
iPhoneとiPadを連携させて写真やメモを管理する生活に不便を感じたことがないため、筆者自身は現時点でGoogleフォトへの移行を考えていません。ただし、複数OSを使う人やAI検索を重視する人にとっては、Googleフォトにも大きなメリットがあります。
iCloudかGoogleフォトかという問いへの答えは、使っているデバイスとライフスタイルで自然に決まるといえそうです。
iPhoneしか使わずApple製品との連携を重視する人にはiCloud、複数OS環境やAI検索を重視する人にはGoogleフォトが現実的な選択肢になるのではないでしょうか。
