iOS11がARKitに対応したことで、iPhoneはAR(拡張現実)という新たな武器を手に入れました。早速App Storeには、IKEAとAppleが協力して作成したアプリ「IKEA Place」を始め、革新的なARアプリが矢継ぎ早に登場しています。しかし、iOS11をサポートするすべての端末が、ARKitで作られたアプリに対応しているわけではありません。
iPhone6以前や、iPad mini 4以前はAR未対応
Appleがデベロッパー向けに公開しているページによれば、同社が開発したARフレームワークであるARKitは、A9、A10 Fusion、A11 Bionicチップを搭載したiPhoneで動作します。つまり、A8以前のチップを搭載した端末では、仮にiOS11がサポートされていても、ARKitを用いたアプリは正常に動作しません。
 
iPhoneシリーズで対応しているかどうかの一覧は下記となります。
 
| デバイス | サポートしているか | |
|---|---|---|
| iOS11 | ARKit | |
| iPhone X | ◯ | ◯ | 
| iPhone8 iPhone8 Plus | ◯ | ◯ | 
| iPhone7 iPhone7 Plus | ◯ | ◯ | 
| iPhone SE | ◯ | ◯ | 
| iPhone6s iPhone6s Plus | ◯ | ◯ | 
| iPhone6 iPhone6 Plus | ◯ | × | 
| iPhone5s | ◯ | × | 
| iPhone5以前 (iPhone5c含む) | × | × | 
 
したがってiPhoneの場合、iOS11は2013年に発売されたiPhone5sから対応していますが、ARKitを用いたARアプリは、2015年のiPhone6s/6s Plus以降での対応となります。
 
また、iPadシリーズで対応しているかどうかの一覧は下記となります。
 
| デバイス | サポートしているか | |
|---|---|---|
| iOS11 | ARKit | |
| 12.9インチiPad Pro (第1・2世代) | ◯ | ◯ | 
| 10.5インチiPad Pro | ◯ | ◯ | 
| iPad (第5世代) | ◯ | ◯ | 
| 9.7インチiPad Pro | ◯ | ◯ | 
| iPad Air (1・2) | ◯ | × | 
| iPad mini(2以降) | ◯ | × | 
| iPad mini(初代) | × | × | 
| iPad(第4世代以前) | × | × | 
 
簡単な目安としては、iPhone/iPadともに2013年9月の新作発表会より後に発売されていればiOS11に対応、iPhoneの場合は2015年9月以降ならARKitに対応、iPadの場合はiPad Pro登場以降ならARKitに対応、といったところでしょうか。
ARKit非対応でもARアプリはダウンロード可能だが
ちなみに、ARKitをサポートしていない端末でも、iOS11に対応していれば、ARKitを用いて作成されたアプリはApp Storeからダウンロード可能です。
 
例えば、AppleとIKEAが協力して作成した「IKEA Place」は、iOS製品のディスプレイ越しに、IKEAの製品を仮想的に現実の室内へ配置できるアプリです。執筆時点(9/20)では、アメリカのApp Storeからしかダウンロードできませんが、実際にARKit非対応のiPhone6 Plusで使うと、下記のようになります。
 
 
決してアプリがバグを起こしているわけではなく、単にARにiPhoneが未対応だっただけですが、知らずにインストールして、とんでもない目に合わないよう、iPhone5sやiPhone6シリーズのユーザーは注意が必要ですね。
 
 
Source:Apple
(kihachi)
