英プレミアリーグ、28台以上のiPhone14活用した高精度ビデオ判定システム導入

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イギリスのプロサッカー、プレミアリーグは試合中のビデオ判定に、1試合あたり28台以上のiPhone14のカメラを導入すると発表しました。試合を中断して時間がかかると評判の悪い現在のビデオ判定よりも所要時間の短縮と精度の高い判定が期待されています。

iPhone14で構築した画像判定システム

プレミアリーグでは従来、ビデオ判定システムを導入していましたが、ビデオカメラの台数、配置できる位置の制限があったほか、オフサイドなどの複雑な判定に時間がかかるため試合の流れが中断されると評判は散々でした。

2024-2025シーズンから導入する「Dragon」と呼ばれるシステムは、電源と冷却ファン付きの防水ハウジングに収めた最大4台のiPhone14で1つのユニットが構成されます。

「Dragon」は、将来の必要性に応じてシステムを拡張できる柔軟性が特徴で、必要な情報量に応じて、取り付けるiPhoneを増やすことで対応可能です。

収集できるデータ量が飛躍的に増加

映像のフレームレートが従来の1秒間50〜60フレームから、最大200フレームへと大幅に増え、収集できるデータがプレイヤー1人あたり従来の30〜50データポイントから、7,000〜10,000データポイントへと飛躍的に増加するため、微妙な判定が求められる決定的な瞬間も逃さずに撮影できます。

オフサイドなどの細かい判定が必要な場合は、特定のカメラのフレームレートを引き上げて詳細に確認することができます。

過去の試合映像を機械学習済み

米バスケットボールリーグNBAのシステム構築を担当するGenius Sportsが構築したDragonは、機械学習を導入しており、オフサイド判定が発生する場面などを学習するため、数シーズンの試合映像を学習させています

すでに国際サッカー連盟(FIFA)から導入の承認を得ているDragonが、エキサイティングな試合での判定に活用される様子を、多くのサッカーファンが目にする機会が増えそうです。

ちなみに、Appleはドイツのサッカーリーグ、ブンデスリーガの放映権獲得に向けて交渉していると報じられています。

Source: WIRED via AppleInsider

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