Beatsの新しいヘッドホン「Beats 360」が、9月24日に税込59,800円で発売されます。AirPods Max 2より30,000円安くて軽い一方、有線再生への対応は明記されていません。Beats Studio ProやAirPods Max 2との違いと、クッション込みの総額を整理しました。
Beats 360は9月24日発売で価格は59,800円
Beats 360は、Beatsで初めてイヤークッションとヘッドバンドクッションを付け替えられるオーバーイヤー型のヘッドホンです。9月22日にApple公式サイトで予約受付が始まり、9月24日からApple Store直営店と正規販売店で販売されます。
カラーはブラック、クラウド、ピンク、スカイの4色です。アクティブノイズキャンセリング(ANC)を含む総合的なノイズキャンセリング性能がBeats Studio Proの最大1.75倍とされるほか、Beatsのオーバーイヤー型で初めてIPX4等級の耐汗耐水性能を備えています。
Beats 360と既存ヘッドホン2機種を比較
Beats 360の立ち位置を確かめるため、Appleが販売している2機種のヘッドホンと仕様を並べました。価格は下位のBeats Studio Proと上位のAirPods Max 2のあいだに入り、主な違いは次の通りです。
| 項目 | Beats Studio Pro | Beats 360 | AirPods Max 2 |
|---|---|---|---|
| 価格(税込) | 49,800円 | 59,800円 | 89,800円 |
| 重量 | 260g | 294.5g | 386.2g |
| 再生時間(ANCオン) | 最大24時間 | 最大32時間 | 最大20時間 |
| 急速充電 | 10分で最大4時間 | 5分で最大1時間 | 5分で約1.5時間 |
| 耐汗耐水 | 記載なし | IPX4等級 | 記載なし |
| 有線接続 | USB-C・3.5mm | 記載なし | USB-C |
| チップ | 記載なし | Beats独自設計 | H2チップ |
価格と重さはBeats 360が中間
価格を比べると、Beats 360はBeats Studio Proより10,000円高く、AirPods Max 2より30,000円安く設定されました。重さもBeats Studio Proの260gとAirPods Max 2の386.2gのあいだに入り、AirPods Max 2より91.7g軽く仕上がっています。
通勤や作業で数時間かけ続けると、ヘッドホンの重さは首や頭頂部への負担になりやすいでしょう。価格と重さの両方で見ても、Beats 360は下位のBeats Studio Proと上位のAirPods Max 2の中間に位置するヘッドホンです。
バッテリーはBeats 360が最長の32時間
ANCをオンにしたときの再生時間は、Beats 360が最大32時間で3機種のなかで最も長くなっています。公称値をもとに1日10時間使う場合、AirPods Max 2は約2日で充電が必要になる一方、Beats 360は約3日もつ計算です。
急速充電では、5分の充電でAirPods Max 2が約1.5時間、Beats 360が最大1時間再生できます。出かける直前の短い充電ではAirPods Max 2がやや有利ですが、Beats 360は充電の回数そのものを減らせるでしょう。
Beats 360は有線接続に非対応か
Beats 360の公式の仕様には、USB-Cケーブルや3.5mmケーブルでの有線再生に関する記載がありません。Beatsの発表資料もUSB-Cについては充電にしか触れておらず、海外メディアの複数のレビューも、有線では接続できないと指摘していました。
Beats Studio ProはUSB-Cでのロスレス再生と3.5mmのアナログ入力に、AirPods Max 2はUSB-C経由のロスレス再生に対応しています。Bluetoothが使えない飛行機の機内エンターテインメントなどでは、有線接続の有無が使い勝手を分けそうです。
なお、Beats 360にはUSB-C充電ケーブルが付属しません。同梱物は本体と同色のPerformance Knitクッションとキャリングケースなどで、ケーブルと電源アダプタは別に用意する必要があります。
チップはAirPods Max 2と異なる独自設計
Beats 360が左右のイヤーカップに搭載するのは、Beatsが独自に設計したチップです。AirPods Max 2が搭載するH2チップとは別物で、iPhoneと組み合わせたときに使える機能にも違いが出ています。
AirPods Max 2の仕様にある「適応型オーディオ」「会話感知」「ライブ翻訳」は、Beats 360の仕様には記載がありません。一方でBeats 360も、空間オーディオとダイナミックヘッドトラッキング、iPhoneとのワンタッチペアリング、「探す」機能などには対応しています。
Beats 360はAndroidのFast PairやFind Hubにも対応し、iPhoneとAndroidのどちらと組み合わせても使える設計です。Appleの機能をどこまで使いたいかが、2機種を選ぶ際の分かれ目になるでしょう。
Beats 360のクッション交換込みの総額を試算
Beats 360の付け替え用クッション「Beats 360クッションキット」の価格は、1セット8,900円です。素材は通気性の高いPerformance Knitと、なめらかな装着感のUltraPlushの2種類で、カラーはそれぞれ6色と2色が用意されています。
本体にクッションキットを加えた総額を試算すると、次の通りです。
| 購入内容 | 総額(税込) | AirPods Max 2との差 |
|---|---|---|
| Beats 360のみ | 59,800円 | 30,000円安い |
| クッションキット1セット追加 | 68,700円 | 21,100円安い |
| クッションキット2セット追加 | 77,600円 | 12,200円安い |
クッションキットを2セット加えても、総額はAirPods Max 2より12,200円安く収まります。本体に付属するクッションと合わせた3組を運動用やふだん用で使い分けても、AirPods Max 2の価格には届きません。
米国ではクッションキットを9.99ドルで買える特別価格が10月31日まで用意され、ほかの一部の国・地域でも特別価格が設定されています。ただし対象として案内されている国に日本は含まれておらず、日本のApple公式サイトでは9月23日時点で8,900円のままです。
Beats 360が向く人と向かない人
Beats 360、Beats Studio Pro、AirPods Max 2は、価格だけでなく耐汗耐水性能や有線接続、使える機能まで異なります。どれが合うかは使う場面によって変わるため、使い方ごとに合うヘッドホンを整理すると次の通りです。
運動や雨の日にも使うならBeats 360
運動時の汗や多少の雨にも対応できるヘッドホンを求める人には、IPX4等級の耐汗耐水性能を持つBeats 360が候補になります。運動のあとに汗を吸ったクッションを外し、別のクッションへ付け替えられる点も、運動に使う人には便利な特徴です。
最大32時間の再生時間があるため、充電の回数を減らしたい人にも合うでしょう。AirPods Max 2より30,000円安いため、初めてノイズキャンセリング対応のヘッドホンを買う人にも選びやすいモデルです。
飛行機やロスレス再生ならStudio ProかMax 2
飛行機の機内エンターテインメントや、Bluetoothに対応しない機器で使うなら、有線接続できる2機種が候補になります。3.5mmケーブルが付属し、価格も3機種で最も安いBeats Studio Proは、有線で使う機会が多い人に向いた選択肢です。
音質を優先してUSB-C経由のロスレス再生を使いたい場合も、公式に対応が案内されているBeats Studio ProかAirPods Max 2が候補になります。Beats 360を選ぶなら、使いたい機器がBluetoothに対応しているかを購入前に確認しておきましょう。
ライブ翻訳などを使うならAirPods Max 2
H2チップによる適応型オーディオや会話感知、ライブ翻訳まで使いたい人には、AirPods Max 2が合っています。iPhoneと組み合わせて使える機能が多い分、価格差の30,000円はこれらの機能への対価とみることもできるでしょう。
ただしAirPods Max 2は、iOS27と同時にファームウェアが更新されたものの、AirPods Pro 3などに追加されたカスタムEQには対応しませんでした。音を細かく好みに合わせたい人は、カスタムEQの対応状況も確認しておきましょう。
Beatsは新しい挑戦を担うブランドに
イヤークッションとヘッドバンドクッションの両方を付け替えられる仕組みは、Beatsとして初めての試みです。AppleがBeatsブランドからゲームコントローラーを投入する可能性も報じられており、新しい製品の方向性をBeatsで試す動きが目立ちます。
Beats 360は、AirPods Max 2ほどの機能はいらないものの、運動や外出で気軽に使える上位のヘッドホンがほしい人に向けた1台と位置づけられるでしょう。9月24日の発売後、Beats 360がAirPods Max 2の購入を迷っていた人の受け皿になるのかが焦点になりそうです。
Photo: Apple
